全米王者のイリュージョニストHARA「マジック以外は…」

2020.10.7 20:15

大阪で最新公演を予定しているイリュージョニストHARA(9月23日・大阪市内)

(写真7枚)

ドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS/2019年)をはじめとするテレビ番組に出演し注目度が急上昇したイリュージョニスト・HARA。新型ウイルスの影響を受けて2020年のジャパンツアーが中止となったが、10月25日に「グランキューブ大阪」(大阪市北区)で最新公演がおこなわれる。

「幕が開いた瞬間は感極まってすぐ終了しちゃうかも(笑)」と冗談を交えながらもかなり楽しみにしている様子のHARAに、今の心境を訊いた。

「マジック以外は、本当に何もできません(笑)」(HARA)

https://youtu.be/eBNe6noLOm8
イリュージョニストHARAによるソーシャルディスタンス・マジック

──HARAさんは5歳のときに観たマジックに衝撃を受けたそうですが、それはどういったものだったんですか?

東京の「井の頭公園」でピエロのお兄さんがマジックをしていて・・・。シャボン玉を吹いて、ぱっと手でつかんだらガラスの玉に変わるというものでした。それがもうすべての始まりですね。

──それで虜になり。高校生までは奈良県・十津川村にいて、その間に独学でマジックを習得されて、18歳のときにアメリカのコンテストで日本人初のグランプリを獲得されました。

実は初めてアメリカでチャレンジしたのは17歳だったのですが、惨敗でした。

──え、そんなことがあったんですか。

落ち込んでいたらアメリカに住んでいる兄がラスベガスに連れていってくれて、そこでシルク・ドゥ・ソレイユやランス・バートンさんという伝説のマジシャンのショーを生で見ました。そこで、子どもからお年寄りまでこんなに楽しめるショーがあるんだと、自分もこういうマジックショーを届けられる人になりたいなって、そこから考えが変わりました。

ステージでパフォーマンスするHARA
ステージでパフォーマンスするHARA

──技術ももちろん大事ですが見せ方も大事ですもんね。惨敗したときに世界の広さを感じられて。

そうですね、自分の視野の狭さに気づかされましたね。マジックだけやっていてもダメなんだなと思って、アメリカから帰ってきた後にまず演劇を勉強して。それからダンスを勉強してみたり、フィギュアスケートの演技を全部、ビデオに録画して研究して、どうしたら自分を一番鮮やかに表現できるかということを考えました。

──そんなにいろんなジャンルを勉強されて・・・。

僕自身は手が小さいし、背も低いので、舞台に立つ人としては決して恵まれていない。それでもどうやったら世界の大舞台で、海外のマジシャンたちに負けないようになれるかと考えて。ほかの人たちがマネできない、日本の和のテイストを取り入れた衣装を着て、見たことのないような世界観に引きずり込むことが出来れば、自分でも世界で勝てるかもしれないと戦略を立てました。

──そうして19歳でハリウッドのマジック専門の会員制クラブ「マジックキャッスル」に出演を果たし、惨敗の17歳から大躍進ですね。

18歳でラスベガスの世界ジュニア大会で優勝をしたときから、本当に世界中からオファーをいただけるようになりました。そこから自分でスーツケースを2つ持って、いろんな国を旅する生活が始まったんです。

──まさに世界を股にかける日々ですね。

ただ、僕はテレビ局でも楽屋からトイレに行ったら、もう戻れなくなるくらい極度の方向音痴なんです(笑)。だから、海外遠征も勘ですよね。なんとなくこっちだろうって。もうマジック以外は、本当に何もできません(笑)。

──それはマジックのためだけに生きている感じですね・・・。だとすると2020年は、緊急事態宣言もあり、マジックに焦点が合わせづらかったのではないですか。

「いつかサウナをプロデュースしたいなって思ってます(笑)」とHARA(9月23日・大阪市内)
「いつかサウナをプロデュースしたいなって思ってます(笑)」とHARA(9月23日・大阪市内)

はい。だから、舞台に立っている感覚を忘れないように、いつもツアーのカーテンコールでかける曲を毎朝、ランニングの後に聞いていました。毎日、イメージトレーニングですね。

──それでスイッチが入る、と。

普段の意識のフレームを超えたところに新しいアイデアがあるので、いかに自分の枠から外に出られるかと考えていて。最近はサウナにはまっていて、サウナで「整う」という瞬間があるんですけど、サウナで整った瞬間に新しいアイデアがわいてくることもあります。この前は、新幹線で新大阪まで行って、タクシーで「大東洋」に行って、そこで整えて東京に帰りました。

──整うためだけに東京から大阪ですか! 大東洋はほかのサウナとどこが違うんでしょう。

サウナーのなかで大東洋は結構有名なんですが、やっぱり水の冷たさとサウナ室の温度のコントラストですね! 大東洋はアミューズメントパークみたいな、サウナーにとっては夢のようなところです。いつかサウナをプロデュースしたいなって思ってます(笑)。

『HARA “新感覚” Magic Show2020 ~Miracle~』

日時:2020年10月25日(日)・13:00〜
会場:大阪国際会議場 メインホール(大阪市北区中之島5-3-51)
料金:S席5500円、ハラハラシート(前方エリア)7000円ほか
電話:0570-200-888

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