滋賀県初のデパート、惜しまれながら「西武大津店」閉店

2020.8.31 20:15

最後にライトアップされた「西武大津店」。「44年間のご愛顧、ありがとうございました。」という文字が浮かび上がる

(写真4枚)

滋賀県の「西武大津店」(大津市におの浜)が、8月31日・20時に閉店。44年の歴史に幕を下ろした。

平時より30分遅く閉店となった最終日の夜、イルミネーションで輝くデパート前には、その姿を最後まで見届けようと大勢の観客が詰めかけた。

閉店間際に店の明かりを確認して「(閉店前に)思い出に入って帰ろうか」と入店する会社員や、正面玄関前で記念写真を収める子ども連れ、固唾をのんで見守る若い女性など、集まった人はさまざまだ。

そして閉店の時刻を迎えると、店の玄関に店長が登場。集った人々1人ずつに向けて深くお辞儀し、これまでの感謝の意を表したところ、大きな拍手と「ありがとう」「おつかれさまでした」と声が次々とあがった。

同百貨店は、西武グループの創業者・故堤康次郎氏の出身地である滋賀県に、県下初の百貨店として1976年にオープン。開業初日は約13万もの人が詰めかけたことからも、県民からの期待がいかに大きかったかがうかがえる。

建物の設計は、大阪万博の「エキスポタワー」などで知られる菊竹清訓(きくたけきよのり)氏が手掛け、有名建築家が手掛けた建物は全国の西武デパートでも珍しく、特別な存在であった。

取材・文・写真/中河桃子

「西武大津店」

住所:滋賀県大津市におの浜2-3-1

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