池大雅の文人画と、近代京都画壇の名品が一堂に集結

2020.8.29 07:15

池大雅《山亭小酌之図》京都府所蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション

(写真10枚)

京都で活躍した江戸時代の文人画家・池大雅と、近代京都画壇を代表する作家の名作を見られる展覧会が、「京都文化博物館」(京都市中京区)で9月22日までおこなわれている。

江戸時代中期に活躍した池大雅の画業を、作品や資料67件で振りかえる『池大雅』展。担当学芸員・有賀茜さんは、「副題に『文人たちの交流』とある通り、池大雅の生涯の友人関係や、どういう人生を送ったのかを身近に感じてもらえるよう、やわらかなテイストを心がけました」と話す。

作品のなかには、人里離れた草庵に文人たちが集い、酒を酌み交わしながら書画の交換をおこなっている様子を描いた『山亭小酌之図』や、重要文化財の『柳下童子図屏風』、幼少期の書『金山』をはじめとする名品が見られる。

谷口香嶠《舞楽図衝立》京都府所蔵(京都文化博物館管理)

一方、『木島櫻谷(このしまおうこく)と京都画壇』の展示は、三条御倉町の旧家・大橋家のコレクションから、木島櫻谷、谷口香嶠(たにぐちこうきょう)、猪飼嘯谷(いかいしょうこく)、芝千秋(しばせんしゅう)など近代京都画壇を代表する画家たちの作品や、同家ゆかりの品87件を紹介している。

この展覧会は、同館で3月14日から始まったものの新型コロナの影響で中断した展覧会『三条御倉町 大橋家の歴史と美術』に、木島櫻谷の絵画を加えて再構成したもの。一度はついえた企画をバージョンアップして復活させたのだから、お見事というほかない。料金は一般・大学生800円。

取材・文/小吹隆文(美術ライター)

『池大雅-文人たちの交流-/木島櫻谷と京都画壇 京都 三条・大橋家コレクション』

期間:2020年8月12日(水)~9月22日(祝・火)※月曜休(9/21は開館) 
時間:10:00~18:00(金曜~19:30)※入室はそれぞれ30分前まで  
会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)
料金:一般・大学生800円、高校生以下無料 
電話:075-222-0888
※「池大雅」展は会期中に展示替えあり

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