自宅は大丈夫?大阪府が台風による浸水の想定マップを公表

2020.8.8 08:15

定例会見でのフリップより「高潮浸水想定区域図の公表」(8月5日・大阪府庁)

(写真5枚)

大阪府が、台風の接近時に防潮堤などで防ぎきれない「想定し得る最大規模の高潮」によって浸水が想定される区域を示した「高潮浸水想定区域図」(以下:区域図)を公表。各建物や高台ごとに数メートル単位で細かく色分けされ、自宅や職場などの浸水リスクをひと目で確認することができるようになっている。

2018年に発生した台風21号の影響で、最高潮位を記録した大阪湾。8月5日の定例会見で、当時のことを振りかえった吉村洋文知事は、「水門や堤防などの防水体制で街なかへの浸水は免れたが、防げなくてもおかしくない潮位に達していた。より、避難・災害体制を強化する必要がある」と気を引き締めた。

今回公開された区域図は、近畿圏を中心に国内に甚大な被害を及ぼした室戸台風(1934年)や伊勢湾台風(1959年)の規模や速度を想定し、これまで最高位を記録した台風21号よりも3メートル以上高い最大潮位で作成。今後、府や沿岸市町は、この区域図を活用して高潮ハザードマップの作成をおこない、避難体制の強化に取り組んでいくという。

また府民への情報発信の基準として、特に警戒すべき水位「高潮氾濫危険水位」を設定。この水位に達すれば「高潮氾濫危険情報(警戒レベル4相当)」、氾濫で「高潮氾濫発生情報(警戒レベル5相当)」とレベルに応じた警戒情報が発表されることになる。

吉村知事は、「台風の時期を迎えるため、府民のみなさんは台風が来たときの浸水リスクをぜひ確認していただき、早めの行動をとっていただきたい。コロナ感染が広がるなか、避難所は感染対策をおこなっている。万が一のときは、『コロナよりも避難』を優先してもらいたい」と語った。区域図は、大阪府の公式サイトで閲覧可能。

取材・文・写真/岡田由佳子

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