花火大会中止で売り上げ倍、進化する都市型「手持ち花火」

2020.8.1 20:15

「スマホでキレイな写真がとれる花火」

(写真5枚)

コロナ禍において花火大会の中止が相次ぐ今年、再び注目を集めているのが「手持ち花火」。スマホで気軽に写真撮影ができる今、スマホでの撮影を全面に推す商品なども続々登場している。

今年は巣ごもり消費などにより、例年の2倍以上の売上となった販売先もあるという花火メーカー「オンダ」(本社:東京都台東区)に、時代に合わせて変化している現代の花火や、キレイに撮るコツなど訊いてみた。

同社の人気商品が、その名も「スマホでキレイな写真がとれる花火」。子どもへの影響のほか、近隣への配慮など、都市型の生活に合わせた商品として同社が先駆けとなり、「煙の少ない花火」が2012年から販売されている。

常務取締役・恩田さとこさんは、「子どもはみんな大好きな花火。しかし身長の低い子どもたちは、花火の煙の影響をダイレクトに受けてしまいます。私の息子も泣きながら花火をしていて、なんとかしたいと思い、開発したのが始まりでした」と、きっかけを話す。

そしてスマホの普及で誰でもすぐに写真が撮影できる時代背景や、また煙が少ないため綺麗に写真が撮れる特徴を活かし、2017年に「スマホでキレイな写真がとれる花火」としてパッケージリニューアルしたところ、好評で売上が伸びたそう。

煙がなく、スマホできれいに写る花火

ユーザーからも「キレイに撮るには最高」「煙が少ないので近所を気にせず遊べた。子どもがむせることもなかった」などと喜びの声が多く届いているとのこと。

撮影のコツについて尋ねると、「最近のスマホはとても性能がいいので、基本的に綺麗に撮影できます。おすすめのタイミングは、日が落ちるギリギリの時間帯。花火だけでなく、周りの景色や人物も写せるので、お子さんが遊んでいる姿など撮影したい場合はそれくらいの時間を狙って」と教えてくれた。

ここからは、若者の間でブームとなっているほかの今ドキ手持ち花火を紹介する。

◆ ルミカライトで『花火文字』

数年前から、手持ち花火をゆっくり動かし、少しずつシャッターを切ることで撮影する「花火文字」が10〜20代の間で話題に。しかし、花火を振り回す行為は危険で推奨できないため、開発されたのが「ルミカライト」付きの花火だ。

ルミカライトを使って不思議な写真を

遊び方は、専用アプリをスマホにダウンロードし、花火をしながら、ポキッと曲げると光るライブの定番「ルミカライト」をゆっくり動かすだけ。

「オンダ」の担当者によると、撮影のコツはなるべく暗いところで、三脚等を使用すること。またルミカライトはゆっくり動かし、シャッタースピードは5秒くらいがベスト。文字や絵はなるべく一筆書きにすると良いです」とのこと。

専用アプリで実際にやってみた「ハート文字」。むずかしかった…

実際にやってみると少し難しく、コツを掴むまで少し時間がかかるが、試行錯誤しながらワイワイできるのも楽しみのひとつになりそうだ。

◆ 香り付き花火

いちごやチョコレート、カレー(!)など、子どもたちが好きな香りのする花火で、実は10年以上のロングセラーを誇るのだとか。

花火で香りも楽しむ?!

火薬に香料は入れられないので、柄の部分に香りを付けているという。香りと花火で2度楽しめる商品として、子どもたちから人気を集め、現在4種類の香りが販売されている。パッケージを開けると、スナック菓子を思わせるような食品の香りが漂ってくる不思議な感覚の花火だ。

点火後、花火を水中に入れてもポコポコと泡を出しながら燃え続ける「水中金魚花火」など、変わり種も多数あるので試してみたい。

「スマホでキレイな写真がとれる花火」は全国の量販店やコンビニ、玩具店、「香り付き花火」は花火店やドン・キホーテなど一部の量販店などで販売されている。

手持ち花火を買ったはいいけど、近年は花火が禁止されているところも多く、どこでやればいいのか。関西の主要都市で花火ができる場所を調べてみた。

・大阪市では「淀川の河川敷」(現在海老江地区は工事中)

・神戸市は公園(一部禁止されているので看板で要確認)、「須磨海岸」(6時〜21時まで可)

・京都市は河川敷(鴨川:高橋〜京都南大橋、高野川:馬橋〜鴨川合流は禁止)

など。いずれも火の後始末やゴミを持ち帰るなど、マナーを守って楽しみたい。

取材・文・写真/野村真帆

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