晴れ乞い祈願の寺、千体以上のてるてる坊主でコロナ退散祈る

2020.7.10 15:49

「生蓮寺」の「蓮和尚」こと高畑公紀住職。1000体以上のてるてる坊主が集まった

(写真6枚)

境内に美しく蓮が咲き誇ることで有名な「生蓮寺(しょうれんじ)」(奈良県五條市)。住職の高畑公紀さんは「蓮和尚(はすおしょう)」と呼ばれ、ユーチューバーとしても有名な人だ。

この生蓮寺に、今1000体以上ものてるてる坊主が全国から集まり、話題を呼んでいる。てるてる坊主は、新型コロナウイルス退散祈願を込め、蓮和尚がSNSで呼びかけ集まったものだ。

同寺は古来より「晴れ乞い祈願」の寺としてもよく知られている。弘法大師空海が高野山開創の道中、ここに立ち寄り、晴れ祈願のために「一寸八尺の小地蔵」を彫刻し、ご本尊の地蔵菩薩の胎内に納めたと伝わるのが由縁である。

嵯峨天皇の皇后が懐妊のおり、地蔵菩薩に祈願。皇子安産報謝のため、小野篁に命じて安置したと伝わるご本尊の地蔵尊

たくさんのてるてる坊主は、実は2016年から奉納されていたという。「大阪府立大学」(大阪府堺市)の学生が毎年6月に堺市の商店街アートイベントで制作した、てるてる坊主600~800体を終了後に奉納。境内にたくさんのてるてる坊主が祀られ、同寺では七夕頃からの風物詩となっていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今年のイベントが中止に。

「さみしいな」と思った蓮和尚は、「晴れには、心を晴れやかにするという意味もある。自粛中で外に出られない人やお子さんに、楽しくてるてる坊主を作って送ってもらい、コロナ退散祈願をしよう」と今回のアイデアを思いついた。

なかには飼い犬の名前(匿名)で、108体のアマビエと蓮柄のてるてる坊主を送ってくれた人も。当初は、800体を目標にしていたが、6月24日の「コロナ退散祈願法要」時には990体、取材時には1000体を超え、新記録を達成。まだまだ、増え続けているという。

蓮好きで同寺を訪れた、堺市の濱田さん(70代女性)は、「たまたま教えてもらって来たけど、私は晴れ女だから運命やわ。来ることができてラッキーだった」と笑顔。「コロナ退散祈願法要」は7月10日、7月24日に営まれる予定で、境内のてるてる坊主は8月20日頃まで楽しめる。また、境内にお祀りされるてるてる坊主は7月24日まで募集中。詳しくは公式サイトにて。

取材・写真/いずみゆか

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