コロナ禍で京都の窯元が挑戦、2000匹描く鳥獣戯画の絵皿

お皿の端で落ちそうなカエルを助ける動物たち。右上が南半球からの助っ人・クアッカワラビーだ。綿密な構想ドローイング
コロナの影響で観光客の途絶えた京都では、宿泊、飲食のみならず、多くのものづくりの工房も危機に瀕している。
ろくろや手びねり、絵付けなどができる陶芸体験工房「瑞光窯」(京都市東山区)も、そのひとつ。存続をかけツイッターに、しがみつくカエルを1匹描いた大皿の写真をアップした。
「これは、『カエルを助ける動物』が、1RTにつき1匹増えるうつわです。」と投稿。続くツイートで「絵付け職人に描いてほしい動物があればコメント欄でリクエストをお寄せください(^^)」 とメッセージを送った。つまり「崖っぷちのカエルを、みんなで救おう!」というテーマである。この投稿に5.8万リツイートと7.6万いいねが付き、話題に。
呼びかけに反応して舞い込んできた最初のリクエストは、オーストラリアのクアッカワラビー。その後も「うちの猫を」「麒麟を待つ」「蛇を…」などと、続々と動物絵付けのリクエストが。そんなにたくさんの種類の動物を、しかもこんなに大きな皿に、どうやって絵付けにまとめるのか? 瑞光窯で、作業まっ最中の職人さんを直撃した。

絵付け職人歴17年の永野健二さん。黙々と大皿に向かうその手元には、無数の動物がびっしり! 目もくらむ数だが、細かいだけではない。1匹1匹を見ると、ナマケモノはのんびり、鳳凰や龍はほかの動物たちを見守るように、それぞれの生きもののキャラがにじみ出ている。

リクエストの多かった動物をリピートし、永野さんの発想で付け足した動物も加えて、大皿に描き上がったときの動物総数は、およそ2000匹ほどになりそうだとか。「いろんな命が助け合っている、そんな多様性を表現できたら」。丸い大皿が、人類みんなが脅威に立ち向かっているコロナ時代の地球に見えてくる。これは、崖っぷちのカエルを救うべく集まった動物たちが織り成す、壮大なる令和の鳥獣戯画だ!
瑞光窯の六代・土谷瑞光さんは同時にクラウドファンディングにも挑戦。支援のリターンとして選べる、瑞光窯のうつわの魅力も大きく大成功をおさめた。江戸時代の中期に始まった「六兵衛窯」をルーツに持つ同窯。テーブルウエアの展開は今年に入ってからだが、現代的なデザインと、職人のろくろ仕事の冴えを感じさせる軽さ、独特の釉薬の色と深みが特徴の「日常使いの清水焼」を提案。引き続きネットショップでも販売するほか、ファッションビル「京都BAL」(京都市中京区)で6月22日から7月26日まで、ポップアップショップを出店する予定。
取材・写真/沢田眉香子
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