自粛解禁後初の舞台「大阪だからできた」垣根越えた伝統芸能

緊急事態宣言が全面解除されたこの日、客席はソーシャルディスタンスが保たれ、関係者のみに舞台が公開された(6月1日・山本能楽堂)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、未だに全面再開の目処が立たない舞台芸術の世界。その先駆けとして、数多くの伝統芸能が集まった『亥々会(いいかい) 息吹の寿(ことほ)ぎ』が、6月1日に「山本能楽堂」(大阪市中央区)で緊急開催された。
今回の舞台は、上方歌舞伎の俳優・中村鴈治郎と、大阪の演劇制作会社「玉造小劇店」を率いる作家・演出家のわかぎゑふが中心となり実現。
2人が、「6月1日には(緊急事態宣言が明けて)舞台ができるんちゃう?」と予測し、知り合いの伝統芸能関係者たちに声をかけたといい、鴈治郎をはじめ、文楽の六代目豊竹呂太夫、大蔵流茂山家の狂言師・茂山七五三(しめ)、落語家の桂吉弥など、錚々たる面々が数カ月ぶりに人前で芸を披露した。
演目『棒しばり×棒しばり』では、歌舞伎と狂言の両方で上演される演目『棒しばり』に、わかぎが時事ネタを脚色し、鴈治郎と茂山逸平が初共演。
自粛中の酒の呑みすぎを防ぐために両手を棒で縛られた男たちが、それでも酒を呑もうと奮闘するなか、互いの手を消毒しようとするなど巧妙な風刺をまじえた内容に、会場からは大きな拍手が送られた。
人前で演じるのは、今年1月以来だったという鴈治郎。「もしかしたら(緊急事態宣言後)舞台に立つ初の歌舞伎役者かも(笑)。大劇場の公演ができないなか、僕らが何かしら舞台に立つことで『だったらこういうこともできる』と、考えてくれるきっかけになれば」と訴える。
そしてわかぎは、「いま全員に仕事がないから、一生集まらないような人たちが集まることができました。しかもジャンルを超えた横のつながりがあり、垣根も低い大阪だからできたかもしれません」と、良い意味でゆるさがある大阪だからこその企画だったことを語った。
ソーシャルディスタンス対策のために、関係者だけに向けておこなわれた今回の公演だが、後日動画サイトでの配信を予定。詳細は「玉造小劇店」の公式サイトにて。
取材・文・写真/吉永美和子
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