みさき公園63年の歴史に幕、最後は新型コロナに悩まされる

2020.4.1 21:00

名残惜しくなかなか帰ろうとしない人たちに対し、職員たちは「ご理解をお願いいたします。ありがとうございました」と心苦しい声で帰宅を促した(3月31日・みさき公園)

(写真4枚)

1957年に開園し63年間、地元に愛されてきた大阪の総合レジャー施設「みさき公園」(大阪府泉南郡)が3月31日で閉園。ギリギリまで新型コロナウイルスの影響を受け、来場者へ配慮するなかでの最終日となった。

3月末で閉園が決まっていた同園だが、新型コロナウイルスの影響で2月29日から臨時休園。3月24日に営業再開したものの、大阪府による週末外出自粛の呼びかけを受け28日・29日に再度休園し、3月は計6日間のみの営業でお別れとなった。

この日、誕生日を迎えた4歳の息子さんと訪れた、泉南市在住の幼稚園教諭・女性。息子さんにとっては最初で最後の「みさき公園」だという。

「私は小さいころから来ていたし、幼稚園児を遠足で引率したりした思い出の詰まった場所。コロナで休園にならなければ、もっと遊びに来させたかったので残念。でも、今日は連れて来られてよかった」と園内を思い出深そうに眺めた。

閉園の17時には、入場ゲートへ詰めかけた多くの来場者を前に、真貝征志郎園長があいさつ。しかし、「閉園しました。長い間、ありがとうございました。コロナ感染の恐れがあるため、みなさま速やかにお帰りください」と、早々にすませてしまう。

予想外にあっさりとあいさつした園長の姿に戸惑う人たち。園長のあいさつをもっと聞きたかったり、自身も感謝の気持ちを伝えたかったようだが、感染拡大予防への理解を飲み込み、寂しそうな様子で帰路についていた。

来場者全員を見送った後、真貝園長は、「本来であればきっちりと、みんなで前に出て最後のあいさつをしたいと我々スタッフも考えていた。しかし今の状況でそれはできず、私のすごく簡単なあいさつに代えさせてもらった。残念だけれども正しい判断だったと考えている」と語った。

取材・文・写真/岡田由佳子

「みさき公園」

住所:大阪府泉南郡岬町淡輪3990

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