池の上に建つスケスケのハコとは? 京都の新美術館の庭園に

《硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)》2014年 ©Hiroshi Sugimoto Architects: New Material Research Laboratory / Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida. Originally commissioned for LE STANZE DEL VETRO, Venice / Courtesy of Pentagram Stiftung & LE STANZE DEL VETRO.
開館が4月11日に延期された「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)。建物東側の日本庭園が一般に無料開放されており、ピースフルな散策コースととして人気だ。そのなかで注目を集めているのが大きな透明のハコ。
庭の池の上に設置された不思議な物体は、作品と言うにはそこそこ大きく、『容れ物感』が気になる。「あらー、なにかしら、倉庫?」と、通りがかりのおばさんが首をかしげるが、ガラス張りでスケスケ、出入り口らしき扉がいやに小さく、使いにくそうだ。

実はこれ、杉本博司の作品『硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)』。京都市京セラ美術館の新館「東山キューブ」の開館記念展『杉本博司 瑠璃の浄土』の作家によるもので、イタリアのヴェネツィアや、フランスのヴェルサイユ宮殿で展示され、このたび日本に初めてお目見えした。
ちなみにモンドリアンとは、20世紀の抽象画家のこと。美術の教科書では、長方形で構成した幾何学的な作品がおなじみだ。17世紀に茶の湯を大成した千利休は、茶室「待庵」の壁面構成と庭石の配置に、モンドリアン的な抽象をすでに試みている、という杉本の見立てに「鳥の声を聞く」という語呂合わせが重ねてある。
この茶室は炉も切ってあり、実際に茶会に使えるという。池の上で鳥の声を聞きながら一服するのを妄想してみるのも面白いかと。この杉本博司によるパブリックアートは、一般公開の日本庭園で、無料で鑑賞できる。2021年1月31日までの長期展示。
取材・写真/沢田眉香子
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