ミュージカル女優・葵わかな「音楽の力ってすごい」

2020.2.25 19:00

ミュージカル『アナスタシア』でヒロインに挑む葵わかな

(写真7枚)

「脚本に書かれてない所をいかに想像できるか」(葵わかな)

──『アナスタシア』は、記憶喪失の娘・アーニャが、自らの過去と本当の望みに向かい合う物語です。題材となっているアニメと筋はほぼ同じですが、異なる点も多いですね。

そうですね。(アーニャと敵対する)魔法を使う人(ラスプーチン)も出ないですし、もう少し現実に寄せた世界です。

「やっぱり演技の途中で急に歌い出すのって、すごく難しいんです」と打ち明ける
「やっぱり演技の途中で急に歌い出すのって、すごく難しいんです」と打ち明ける

──ラスプーチンの代わりにアーニャを追い詰めるのが、ロシア政府の将官・グレブです。舞台版は彼の存在によって、シリアスな人間ドラマの側面が浮かび上がっています。

アーニャや(彼女に同行する)ディミトリやヴラドが、希望に向かって走っているのに対して、革命の残酷さや冷酷さを体現している人物です。明るい話にひとつ影を加えていて、それによって物語に立体感や、現実味が生まれているという気がします。

──アーニャは勝ち気でたくましいけど、随所で記憶がないことの不安や、「本当にアナスタシアかもしれない」という気品を見せなければならないので、難しそうな役ですね。

一番課題になりそうなのが、アーニャの強さと弱さの案配。ディミトリやグレブのセリフや歌で「こんなに震えて怖がる彼女を、僕が守らないと」というのがよく出てくるので、本当は普通の子だけど、自分に活を入れて強く見せてるだけじゃないかな? と感じています。さらにこの2人には、女性として意識されないといけないんです。

大阪に着くと「あの頃に戻るような錯覚があって、今でも感慨深い」と『わろてんか』撮影時を振りかえる葵
大阪に着くと「あの頃に戻るような錯覚があって、今でも感慨深い」と『わろてんか』撮影時を振りかえる葵

記憶がないことに真実味を持たせることも含めて、アーニャのキャラクターがハマらなかったら、全体の説得力がなくなってしまう。だからただの「強い子」ではなくて「こういう事情があって強い子」という、その背景をどういう風に表現するか。それは脚本に書かれてない所を、いかに想像できるかにかかっている気がします。

ミュージカル『ANASTASIA(アナスタシア)』

日程:2020年4月6日(月)〜18日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席13500円、A席9500円、B席5500円ほか
電話:06-6377-3800

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