解体予定の市役所に巨大壁画、神戸のアートプロジェクト

2020.2.11 12:00

ライブペインティングで完成した絵と神戸ミューラルアートプロジェクト実行委員会のメンバー。左から4番目が代表の秋田大介さん(2月2日・神戸市役所)

(写真4枚)

街なかに描かれた壁画・ミューラルアート。アメリカや香港などでは観光スポットになるなどひとつの文化として根づくが、そうしたアートシーンを神戸にも増やそうと「神戸市役所」(神戸市中央区)の壁面に巨大アートを描くプロジェクトが始動した。

この試みは、「Kobe Mural Art Project(神戸ミューラルアートプロジェクト)」の第一弾。老朽化した神戸市役所・2号館の解体が今秋決まっているため、「それなら壊す前に」と本企画が実現したという。

「神戸市役所」ロビーで2月2日、キックオフイベントが開催。アート活動で生計を立てられるアーティストが少ないことから、「アーティストをきちんと評価し、それに見合った対価を払う文化を醸成すること」がプロジェクトの大きな目的と説明された。

代表の秋田大介さんは、「知り合いのアーティストに『ちょっとうちの看板描いてよ。お金はあまり出されへんけど、みんなが見てくれて名前売れるやん?』と頼んだことはありませんか? でもそれは、アーティストを浪費していることになる」と聴衆に問題提起。

壁画は、ゴールデンウィークの完成を目指しており、約600万円の必要経費をまかなうため、現在クラウドファンディングで資金調達中。「みんなが少しずつお金を出し合い『この絵は私の支援でできたんだ』と自覚を持つことで、まちの文化度が上がるのでは」と話した。

壁面アートは、まちの印象を大きく左右するため、どういうものがふさわしいかアンケートをとってデザインを決定。秋田さんは、「今回は壊されるから描かせてもらえる面がある。これを機に今後、残される建物に『描いてほしい』という人が出てきてくれれば」と語った。クラウドファンディングは3月31日まで。

取材・文・写真/合楽仁美

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