ユーモラスで哀感漂う、浅野竹二の木版画
2020.1.17 18:00

《鳥と大地》1977 年 木版, 和紙 伊丹市立美術館蔵
(写真6枚)
自画、自刻、自摺りにこだわり、独自の世界を作り上げた木版画家・浅野竹二(1900~1998)。その芸術世界をたどる展覧会『浅野竹二 版を奏でる』が、「伊丹市立美術館」(兵庫県伊丹市)で1月18日よりおこなわれる。
浅野は京都に生まれ、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)では日本画を専攻、独学で油彩画も学んだ。30歳頃から木版画を手掛けるようになり、《新京名所》など名所絵版画を制作していたが、50歳を迎える年に初めて自由版画の個展を開催。
その10年後に米国の画家ベン・シャーンと出会い、彼の助言にも励まされて徐々に独自のスタイルを作り上げていった。70代になると名所絵をやめて自由版画に専念するようになり、98歳で亡くなるまで制作を続けた。

浅野の作品の特徴は、なんといっても自由奔放なこと。初期の作品は市井の人々を描いていたが、その後は簡潔な線とデフォルメされた形態、鮮やかな色遣いによる独自の画風を確立。明るくユーモラスなのにどこか哀感が漂う作風は、現代の我々が見ても古さを感じない。抽象化された作品でも小難しさやとっつきにくさがないのも、多くの人から支持される理由だろう。彼の木版画人生を展観でき浅る本展は、浅野竹二の入門編としてもぴったりだ。
文/小吹隆文(美術ライター)
『コレクション2 浅野竹二 版を奏でる』
期間:2020年1月18日(土)~3月1日(日)※月曜休(2/24開館、2/25休館)
時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで
会場:伊丹市立美術館(兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20)
料金:一般500円、大高生250円、中小生100円
電話:072-772-7447
関連記事
あなたにオススメ
人気記事ランキング
写真ランキング
コラボPR
-
「#きゅん淡路島」をテーマにした写真を募集します!
NEW 2021.3.1 18:00 -
「Meets Regional」 INFO [PR]
NEW 2021.3.1 16:00 -
梅田のくう・飲む・遊ぶは、これで解決![PR]
NEW 2021.3.1 10:00 -
【連載】神戸市北区で休日さんぽ〜サイクリング編[PR]
NEW 2021.3.1 10:00 -
淡路島へおでかけ・・・遊びとグルメ
2021.2.28 09:00 -
美しい風景を映像美に凝縮、鳥取中部の魅力とは[PR]
2021.2.27 07:15 -
エメラルドスタシア、関西で素敵な暮らしを[PR]
2021.2.26 14:00 -
【連載】神戸市北区で休日さんぽ〜北区のおみやげ編[PR]
2021.2.26 10:00 -
但馬牛、カニ、絶景が楽しめる香美旅とは?[PR]
2021.2.24 19:30 -
SAVVY INFORMATION [PR]
2021.2.22 12:00 -
おうちで楽しむ餃子を、もっとおいしくするお供[PR]
2021.2.15 18:30 -
兵庫の日本遺産って?書籍に登場する兵庫は?[PR]
2021.1.22 12:00 -
もう行った? 注目の「心斎橋パルコ」を深掘り
2021.1.21 09:00 -
知らなかった魅力を再発見、こんなにある兵庫の絶景[PR]
2021.1.7 10:00 -
【連載企画】初春文楽公演、みどころはココだ![PR]
2021.1.5 13:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【前編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
京都・奈良・三重、オススメの絶景めぐり【後編】[PR]
2020.12.28 07:00 -
知ってた?イオンモールのこんなとこ[PR]
2020.11.13 12:00 -
大阪府少人数利用飲食店応援キャンペーンまとめ[PR]
2020.11.2 12:00 -
奈良・王寺町、お店を応援するプロジェクト[PR]
2020.7.3 13:00 -
【関西】ステーキ・焼肉・ホルモン・・・みんなで肉食べよ
2019.8.19 17:29