浸水時は高層ビルに垂直避難、大阪が推奨

2019.12.5 17:00

『第4回高潮専門部会』資料より、大阪市内の高潮浸水シミュレーション結果

(写真7枚)

12月4日の定例会見で大阪府は、津波や高潮などの水害により浸水が予測される場合、一時的に命を守るため近隣の高層建物に避難する「垂直避難」を勧めると明言。浸水エリアが特に広い地域と連携して、今後実務協議が開始されるという。

過去最大級の台風が直撃した場合の被害を想定した「高潮浸水シュミレーション」を、『第4回 高潮専門部会』で審議した大阪府。最大の被害を受けた場合、新大阪駅や梅田駅がある北区のほとんどが約10mの浸水、さらに市内の広範囲で2階建て建物が水につかる5~10mの浸水になることが明らかになった。

この結果を踏まえて大阪府は今後、津波や高潮による浸水が予報された際、これまでの「水平避難」から「垂直避難」を推奨。上がった水位が引くまでの数時間から1日程度だけ高所に避難し、その後はこれまでの避難所などで過ごすというもの。

西日本豪雨や台風19号を振りかえった吉村洋文知事は、「河川が決壊した場合、1階にいなければ、あるいは車で避難せずただ高所に上がれば命を守れたケースも多い。命さえ助かれば再生できる。ひとりでも多くの命を救うためにも『垂直避難』を勧めたい」と訴えた。

府では短い時間で適切な行動をとる災害訓練も重要視。府内の各市町村と『高潮シュミレーション』を情報共有し、ハザードマップを作成した上で、地域住民に認知させるとともに災害対策を強化していくという。

取材・文 /岡田由佳子

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