いろんな意味で規格外、ジェニーハイの魅力

2019.11.25 21:00

合同取材会に出席したジェニーハイ(左から川谷絵音、中嶋イッキュウ、新垣隆、くっきー!、小籔千豊)

(写真2枚)

吉本新喜劇の座長・小籔千豊(Dr)、野性爆弾のくっきー!(Ba)、ロックバンド・tricotの中嶋イッキュウ(Vo)、現代音楽家の新垣隆(Key)、ゲスの極み乙女。の川谷絵音(Gt&プロデュース)という個性豊かな5人からなるバンド・ジェニーハイ。先日『ミュージックステーション』に初出演し、注目を集めた。

もともとは小籔とくっきー!とイッキュウが出演するBSスカパーのバラエティ番組『BAZOOKA!!!』の宣伝のために結成された企画バンドで、メンバーのうち2人がお笑い芸人。さらに音楽を本業とする残り3人のうち2人が、スキャンダラスな事件で世間を騒がせたいわくつきの人物──とくれば、イロモノ視する人がいても決しておかしくはない。

だがしかし。彼らの1stフルアルバム『ジェニーハイストーリー』を聴けば、そんな色眼鏡は即座にふっ飛んでしまうだろう。1曲目『シャミナミ』の冒頭「とんでもない恋だった」というフレーズから、心を鷲掴みにされる。

川谷によるキャッチーでエキセントリックな独特のメロディをイッキュウが歌うことで生まれる、爆発的なチャームと切なさ。ダンサブルでトリッキーなサウンドの舵を巧みに操る、小籔のドラムとくっきー!のベース。そこに重なる新垣の幻想的なピアノが、ジェニーハイの楽曲をゲス極ともまた異なる異次元のポップスへと飛躍させる。笑い半分で聴いていたつもりが、陶然となってリピートせずにいられない、すさまじい中毒性を持ったキラーチューン揃いなのだ。

ふざけられるバンドだからこそ、ちゃんとカッコイイものに

「番組でバンドの企画が持ち上がったときは、芸人2人いるから、ちゃんとせなサブ(寒)なる。本気でやるなら目茶苦茶うまくて曲も作れるギターとキーボードを入れた方がいいなということで、この2人なら音楽の才能のすごさと世間を騒がせた度合いが揃ってるし、ええけど無理やろな・・・と思ってたら快諾いただいて」(小籔)

「ふざけたら本当にふざけられるバンドだからこそ、ちゃんとカッコイイものにしなくちゃって。ちゃんとしたバンドというのは意識しつつ、外すところは外した作品になってます」(川谷)

小籔が「がっきー(新垣)はラップなかなか覚えへんのと声ちっちゃいのだけはなんとかしてほしい」と話し、会場が笑いに包まれる場面も

見た目もキャラクターもバラバラの強烈な個性を持つ5人が、一緒に音を出すと神がかった鉄板のハーモニーを奏で出す。そんな「バンドマジック」は22日、都内でおこなれた合同記者会見でも炸裂していた。

川谷が「みんなのスケジュールがまったく合わなくて、全員別々の日にレコーディングしたので、普通のバンドの10倍ぐらい制作費が掛かった」と笑いをとれば、小籔も「P(川谷)の作る曲は全部の曲にトリプルアクセルが入ってるぐらい難しい。おかげで飲みに行く回数が減りました」とボケをかます。

続けてくっきー!も、「レコーディングって曲が動き出していく感じがゾイドっぽいなと思って。スケジュールにも『ゾイド』って書いてました」と変化球を繰り出し、と思えば、不意に新垣が「実はこの会場、5年前(ゴーストライター騒動の謝罪会見)とまったく同じ場所なんですよね・・・」と突然の告白。会場をどよめかせるなど、おおよそロックバンドらしからぬ、笑いとスリルに満ちた会見となった。アルバムは11月27日発売。

取材・文/井口啓子

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