大甘処分の関電、吉村知事「再出発すべき」

2019.10.4 15:00

囲み会見で、金品授受問題に揺れる関西電力について言及した大阪府・吉村洋文知事(3日・大阪府庁)

(写真1枚)

「関西電力」(本社:大阪市北区)の役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、大阪府の吉村洋文知事は3日、「大阪府庁」(大阪市中央区)内での囲み取材で、経営陣を非難した。

関電は2日の会見で、同社の八木誠会長、岩根茂樹社長ら20人が、原発がある福井県高浜市の元助役・森山栄治から現金や金貨、スーツなどの3億円超の金品を提供されていた件について、幹部の引責辞任を否定。また、この問題の社内報告や役員らの報酬減額処分も、取締役会に周知していなかったことが明らかになった。

関電の筆頭株主である大阪市の市長を今年3月まで務めていた吉村知事は、「黒塗りで情報もなかなか出さず、処分も厳重注意とか給料カットとか、まあ自分たちに甘い。この体質が残れば、また同じことが起こるのではないか。原発事業を進めるうえで不都合な数字が出たらその隠ぺいも疑われ、根底から覆ってくる」と指摘する。

公共性がある電気事業、さらには原発も扱う関電だけに、今後は電力受給者との信頼回復、経営の透明性が求められることになる。その点について吉村知事は、「こういったことが明るみになった以上、公共性と透明性を持つ企業に生まれ変わるためにも、現経営陣を刷新して、新しい体制で再出発してほしい」と語った。

取材・写真/岡田由佳子

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