不発弾で町が空っぽ、演劇人に与えた影響

2019.9.24 17:00

脚本・演出を手掛け、俳優として舞台にも上がる主宰の益山貴司

(写真2枚)

戦時中に役目を果たさず、いまだ国内の至る所に眠る不発弾。俳優で作・演出家の益山貴司(劇団子供鉅人)が、現代に影響を及ぼす不発弾について、自身の体験を話した。

軍事工場「大阪砲兵工廠」跡地のある大阪・森ノ宮(大阪市中央区)出身の益山。「子どもの頃、不発弾が見つかって避難したんですよ。それは僕にとって衝撃的で、自分の知らない戦争という過去の遺物の不発弾が、いまの我々の生活を動かしてしまった」と振りかえる。

「中学のときかな、(不発弾処理のため)人がいなくなった町をうろうろしてみたんですよ。家のなかが、町が空っぽっていうのは、結構衝撃的な空気感で・・・。過去が現在を空っぽにさせてしまう破壊力というのが、自分のなかにずっと残っていた」と現在に至るという。

そんな益山が主宰する劇団子供鉅人の最新作が、『不発する惑星』。オリンピック開催予定地の工事現場で働くエロ漫画家・タイチと、彼が思いを寄せる隣人の主婦・タマキの関係が描かれる。物語では工事現場で不発弾が発見され、工期を急ぐ現場がタイチに埋め直しを迫り・・・。

舞台『不発する惑星』イメージビジュアル
舞台『不発する惑星』イメージビジュアル

「人って心のなかに不発するモノ、果たせなかったモノを抱えてる。それが爆発したらどうなるんやろ、隠してたモノがある日突然爆発して自分の生活を抹殺してしまう。過去の経験を活かして、そういう劇的瞬間を描きたい」と益山。大阪公演は、「HEP HALL」(大阪市北区)で10月3日から7日まで。チケットは、一般前売4000円ほか発売中。

『不発する惑星』

日程:2019年10月3日(木)〜7日(月)
会場:HEP HALL(大阪市北区角田町5-15 HEP FIVE 8F)
料金:前売=一般4000円、U25 3000円、学生2500円、高校生以下1000円(当日は各+500円)
電話:06-6366-3636

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