船上に現れた奈良時代の天平人、周辺騒然

2019.9.9 06:00

突然現れた奈良時代の天平人の集団に歓声が上がり、多くの人がスマホやカメラで撮影

(写真4枚)

奈良「興福寺」の五重塔を望む名所「猿沢池」(奈良市)に7日、奈良時代の天平人の集団が出現。まるで奈良時代へタイムスリップしたかのような光景に歓声があがり、多くの観光客がその姿を撮影しようと周辺はおおいに賑わった。

天平人が乗りこんだのは、例年中秋の名月(令和元年は9月12日・13日)に猿沢池畔の「采女神社(うねめじんじゃ)」で執り行われる『采女祭』の管絃船。7・8・12日の3日間は一般客も乗船でき、この日は天平衣装愛好家ら14名が船をジャックした形となった。

「みんなでやって、みんなで楽しみたい」と中心メンバーの銀とき子さん(生駒市40代)。その言葉通り、大和郡山市からたまたま家族で訪れていた足立旭くん(5歳)は、突如現れた天平人を見て「カッコイイ! 衣装を着て一緒に船に乗りたい」と興奮した様子だった。

興福寺の五重塔をバックに猿沢池の管絃船を楽しむ姿は、奈良時代へタイムスリップしたの采女のように優美
興福寺の五重塔をバックに猿沢池の管絃船を楽しむ姿は、奈良時代へタイムスリップした采女のように優美

2010年の『平城遷都1300年祭』で天平人のボランティアスタッフを経験した事により、その魅力に目覚めたという銀さん。現在は、県内各地のイベントに自作の衣装を身に着け天平人として登場する個人活動をおこなう。

管絃船ジャックは2年ぶり3回目で、銀さんが奈良女子大学「古代衣装同好会」の現役・OGら愛好仲間に声を掛け決行。各所から、「漂亮(ピャオリャン/中国語で綺麗の意)!」「Beautiful!」との声もあがり、多くの外国人観光客も魅了したようだ。管絃船の乗船体験は、12日の朝10時から夕方4時まで、大人1000円、小人500円。詳細は公式サイトにて。

取材・文・写真/いずみゆか

『采女祭』

日程:2019年9月12日(木)・13日(金)
会場:采女神社(奈良市樽井町)
電話:0742-30-0230

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