写真家・鬼海弘雄、奈良でポートレイト展

2019.9.7 06:00

鬼海弘雄《12年ぶりの記念写真、舞踏家吉本大輔さん》

(写真3枚)

1973年から45年間にわたり、『PERSONA』と題したポートレイト写真を撮り続けてきた写真家・鬼海弘雄(1945~)。その「最終章」と銘打たれた個展が、9月7日より「入江泰吉記念奈良市写真美術館」(奈良市高畑町)でおこなわれる。

鬼海の撮影スタイルはきわめてルーティンだ。撮影に出かけるのは午前10時。装備は、ハッセルブラッドという中判カメラと、数本のブローニーフィルムと露出計のみ。撮影場所は東京・浅草の浅草寺。境内に陣取ったら、撮りたいと感じる人をひたすら待つ。目の前を何千人もの人が行き交い、その中から日に1人か2人に声をかけ撮影させてもらう。たまに3人の日もあるし、1人も撮らない日もある。

鬼海弘雄《銀ヤンマのような娘》

1973年にこのシリーズを始めて以来、彼が撮影した人物は1000人を超える。どの人物も個性が際立っているが、あからさまにエキセントリックという訳ではない。素の人物それ自体が存在感を放っているのだ。「PERSONA(ペルソナ)」とは劇中の登場人物や仮面を被った外面を指す言葉だが、鬼海の眼は仮面の奥に潜む人間の真の姿をあぶり出す。それゆえ彼の作品には、ある種の気高さ、荘厳さがにじみ出ているのだ。

本展では2006年から2017年に撮影されたものを中心に113点を紹介する。ひとりひとりと対話するように、じっくりと人間観察をしてほしい。なお、展覧会初日には鬼海と百々俊二館長によるギャラリートークも開催される。期間は10月30日まで、料金は一般500円。

文/小吹隆文(美術ライター)

鬼海弘雄「PERSONA 最終章」展

期間:2019年9月7日(土)~10月30日(日)※月曜休(9/16・23・10/14開館、9/17・24・10/15・23休館)
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで 
会場:入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町600-1)
料金:一般500円、大高生200円、中小生100円(9/7・8は入場無料)
電話:0742-22-9811

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