「葬式の名人」出演者、ロケ地で同窓会?

2019.9.7 20:00
(写真6枚)

「みんなで酒を飲むシーン、なんだか羨ましかった」(奥野瑛太)

──この映画は、そのたどたどしさもある意味では、観るべき点かなと思います。

樋井「地元の同級生とは、ほとんど接点がなくなりますよね。もし会ったとしても、たとえば2人きりになってしまったら、絶対にこっ恥ずかしくなる。だから、大人数で会いたい」

尾上「同窓会とかないの?」

樋井「ない、というか呼ばれていないだけかも(笑)」

尾上「地元から離れるとそうなるよね」

中西「私は小さい頃、転勤が多くて小学校も3回ほど変わったので、幼馴染がいないんです。映画のなかでは、同級生が久しぶりに集まり、大人になったからこそ分かる思い出や感情が明らかになっていきますが、『私にも幼馴染とかいたら、こんな風になっていたのかな』と想像しながら、演じていました」

神戸市出身の中西美帆

佐藤「私も、保育所のときの友だちと長く付き合いがあったのですが、それでも突然会わなくなり、それっきりになっています。このところずっと会っていません。会いたいと感じていても、わざわざ連絡をすることもないじゃないですか。なにかきっかけがないと無理ですよね。この映画のように共通の友人の訃報があれば集まるだろうけど、できればそういう出来事には出合いたくないし」

奥野「僕にはずっと、『いつかまた会いたいな』と思っている仲間がいるんです。小学生のときから10年間くらいは、何人かでよく集まっていて、進学しても遊んでいて、全員の居所がちゃんと分かっていた。でもハタチをこえたあたりから、1人だけどこに行ったか分からなくなってしまって。せっかくみんなでお酒が飲めるようになったのに。そいつのことは、ずっと気になっています。劇中の野球部の部室の場面で、みんなで酒を飲むシーンがあるけど、あれはなんだか羨ましかったですね」

北海道出身の奥野瑛太

尾上「みんな、それぞれに立場が生まれてくる。大人になって、久しぶりに元同級生とお酒を飲みに行きたくても、各自仕事や家庭があって、そのことをまず考えてしまう。『なんか、誘うのは悪いな』って。昔みたいに簡単に『遊ぼー』って言えない。相手に踏み込めなくなった。僕も、せっかくの地元での撮影だったから『会おう』という話になったけど、結局は実現できなかったし。時間の経過はある意味、残酷なものなのかもしれません」

映画『葬式の名人』のワンシーン

──確かに『葬式の名人』には、時間が過ぎゆくことへの残酷さがありますよね。

尾上「それぞれに対して、溝があるわけでもない。それでも微妙な関係性になっていく。映画のなかのみんなだって、会おうと思ったらできたわけだけどそうしなくなった。誰にでも当てはまる物語ですよね」

中西「でもそれが、自立なのかもしれませんね。社会人としてみんな、それぞれの世界に入ってそこで頑張るようになる。これは樋口監督が仰っていたことですが、そのなかで勝ち組、負け組も生まれてしまいます。時間が過ぎていくことによって、かつて仲間だった人たちの関係が微妙に変わってしまうことなども、映画には描かれています。このノスタルジックな物語は、きっとどなたにも共感いただけると思います。ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです」

映画『葬式の名人』

2019年8月16日(金)茨木市先行公開、9月20日(金)全国公開
監督:樋口尚文
出演:前田敦子、高良健吾、白洲迅、尾上寛之、中西美帆、奥野瑛太、佐藤都輝子、樋井明日香、有馬稲子
配給:ティ・ジョイ

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