舞台Qに羽野晶紀「長く帰れないのは初」

2019.8.24 18:00
(写真6枚)

「新感線より紳士な人ばかりだし(笑)」(羽野晶紀)

──新感線で学んだことで、今も糧になってることはありますか?

最初はギャラが出なかったから、みんな貧乏でね。300円ぐらいしか持ってなくて「素うどんなら食べれる」みたいな(笑)。そういう状況を経験していると、何もなくなったときでも「あの頃に戻るだけだ」って思えるんです。

あと芝居の方も、めちゃくちゃしんどい。「ここで息を吸わないと死ぬかもしれない」ってぐらい、ギリギリまで追い詰められるし。でも精神的にも肉体的にも、いろんなキツさをここで知ったので、よその現場で「しんどい」と思ったことがないです。

──では出演者が口をそろえて「体力的にキツい」とおっしゃる野田さんの舞台も・・・。

全然大丈夫。野田さんやさしいし、周りも新感線より紳士な人ばかりだし(笑)。この前久々に出たときも「劇団員、相変わらずだなー」って思ってましたよ。

──とはいえ新感線とNODA・MAPの舞台にはいろいろと違いがあるので、カルチャーショックみたいなことはあったのでは?

初めて野田さんの作品を観たとき、すごくショックだったんですよ。話がわかんなくて(笑)。新感線は大丈夫じゃない? マンガみたいだし。野田さんの作品は話があっちこっちに行くから全然わかんなくて、「私ってバカなんじゃないかなあ?」って。

でも(登場人物の)誰かの目線で見るようにしたら、つながりがわかるようになりました。で、実際に出てみると、もっと面白い。野田さんの書くセリフはすごく素敵だから「あ、しゃべりたい」って思うんです。

はじめて野田作品を観た際、「話がわかんなくて(笑)」とショックを受けたという羽野晶紀
はじめて野田作品を観た際、「話がわかんなくて(笑)」とショックを受けたという羽野晶紀

──物語とか、配役についてはもう野田さんから聞いてますか?

12世紀の日本を舞台に『ロミオとジュリエット』の後日談をやるというのしか、私も聞いてないんですよ。先日野田さんにお会いしたときに、その辺をたずねてみたんですけど「大丈夫大丈夫、考えてるから」みたいに言われました(笑)。

先日は出演者のみなさんとのワークショップがあって、野田さんが書いた短い脚本を元に「このシーンをどんな風に作ろうか?」というのをグループに分かれて考える、ということをやったんですけど。

──そこでは羽野さんは、どんな役をやったんでしょう?

いろいろですね。(ジュリエットの)乳母をやったかと思えば、ジュリエットもやったり、あるいは波や雨とかの風景になるとか。そういうことをやってると「こんな筋肉使わないよ、普通」ってところを痛めました(笑)。

結構、頭を使うので、最後の方はみんなカッスカスになって帰る・・・という状態で。これが実際の舞台でどう生かされるのかは、実は私も楽しみですね。

NODA・MAP『Q』:A Night At The Kabuki

日程:2019年10月19日(土)〜27日(日)
会場:新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町6-5-13)
料金:S席12000円、A席8000円、サイドシート5700円
電話:03-6802-6681

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本