学校怪談はホラー?演出家・上田誠の解釈

2019.8.7 20:00

「77不思議って多いんですけど、景気良くしたかった(笑)」と話す上田誠

(写真2枚)

京都を拠点に活動する劇団・ヨーロッパ企画の最新舞台『ギョエー!旧校舎の77不思議』が、全国10カ所で上演。同劇団がオカルトを題材にした初作品に、作・演出の上田誠が思いを語った。

1998年に結成され、昨年20周年を迎えた同劇団。主宰の上田は、「劇団の集大成として、初期の代表作の再演と新作を上演し、ひと区切りを迎えた思い。最初の20年よりもこれから21年目以降の方がおもしろくて充実してるような活動になればと心機一転、新しいところへ踏み出す公演です」と話す。

その一歩が、「オカルト青春コメディ」と銘打った本作。「いままで僕の作風がポップだったり、懐かしさの感覚を扱ってきたコメディやSF。ゾッとするようなネガティブなフレーバーをいままでやったことなくて、あまり負のことをやるのが得意じゃなかった。ホラーだと死や痛みがつきまとうのですが、その調味料をうまく使えるようになれたら」と思いを明かした。

オカルトやホラーのなかでも、「学校の七不思議が好き」という上田。「学校は、夜中の図工室では・・・、理科室では骸骨が・・・、と想像の余地がある空間。花子さんとか人体模型とか、良い作品は語り継がれてますよね。きっと学校という場所にその要素がある。『ある特定の場所がトリガーとして語り継ぎを生成するシステム』が好きですね。納得感ある怪談とない怪談を考えながら、新たなモノを生み出せれば」という。

ヨーロッパ企画の劇団員ら、『ギョエー!旧校舎の77不思議』の出演者
ヨーロッパ企画の劇団員ら、『ギョエー!旧校舎の77不思議』の出演者

さらに、「オカルトやホラーに対して、割り切れないところがあって、法則性が見出せない。でも笑いも似てて、最終的に感覚に頼らざるを得ないところがある。怖さにもいろいろあるし、分析できないから魅力を感じていて。ヨーロッパ企画なりのホラー・オカルトを作られれば」と、理系出身ならではの解釈で説明した。

本作は、高校の旧校舎に77不思議があると聞きつけた先生と生徒の物語。関西では京都公演が「京都府立文化芸術会館」(京都市上京区)にて8月9日から12日まで、大阪公演が「ABCホール」(大阪市福島区)で9月11日から18日まで上演される。ともに前売は完売で、当日チケットは京都4500円、大阪5500円。

『ギョエー!旧校舎の77不思議』

日程:2019年8月9日(金)〜12日(祝・月)
会場:京都府立文化芸術会館(京都市上京区河原町通広小路下ル)
料金:4500円

日程:2019年9月11日(水)〜18日(水)
会場:ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
料金:5500円

電話:06-6357-4400

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