実はカッコいい古田新太、舞台上の色気

2019.7.14 17:00

劇団☆新感線の最新作『けむりの軍団』記者会見に参加した古田新太(左)、清野菜名、須賀健太

(写真8枚)

『木更津キャッツアイ』『あまちゃん』『逃げるは恥だが役に立つ』など、数多くのドラマで印象的な脇役を演じる古田新太。前クールの主演ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(NTV)では、女装の高校教師・原田のぶおをエキセントリックでも愛しい人物として演じ切り、その怪演列伝にまたひとつ伝説を残す形となった。

しかし! 世間では古田を、バラエティ番組などで見せるやんちゃな素顔も含めて、単なる「オモロいおじさん」だと思っていないだろうか? だとしたら声を大にして言っておきたい。演劇、特に時代劇の舞台で、正統派ヒーローを演じさせたときの古田新太の色気ダダ漏れ具合は、本当に「これを見ずに死ぬのはもったいない」レベルだと!

大阪の劇団「劇団☆新感線」出身の古田。高校時代には伝説のダンサーであるルドルフ・ヌレエフのバックで踊ったこともあるという身体能力の高さと、演出家のあらゆる要望に応えるズバ抜けた適応力を武器に、不動の看板役者の地位を築いた。実際、新感線がおバカコメディからシリアスな活劇まで非常に幅広いスタイルの芝居を送り出して来られたのは、センターにいる古田の存在も大きかったはずだ。

ふざけながら笑いの絶えない稽古は、「僕ら小劇場でやってきた人間はそうやって芝居を作ってきたから」と古田新太
ふざけながら笑いの絶えない稽古は、「僕ら小劇場でやってきた人間はそうやって芝居を作ってきたから」と古田新太

そのマルチぶりを育んだのは、古田自身が「稽古場でとにかくふざけて、面白いものを探す」と言う、小劇場演劇ならではの稽古にあるだろう。単に演出家の指示通り演じるのではなく、「あれもできるんじゃないか」「これも面白いんじゃないか」と風呂敷を広げるうちに、誰しもの想像を超えた強靭な「役」が誕生するというわけだ。それは爆笑をかっさらうオカマだったり、本気で殺意を感じる悪党だったり、誰もがほれぼれする色男だったり。ただ古田の映像出演は、のぶおのような飛び道具キャラが圧倒的に多いので、めっちゃカッコいい役も負けないぐらい絶品なんだぜってことは、意外と知られていないのでは、と危惧する。

劇団☆新感線『けむりの軍団』

日程:2019年10月8日(火)〜21日(月)
会場:フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)
料金:S席13800円、A席11500円、B席9500円
電話:0570-200-888

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