及川光博「ライブはゼロからの世界創造」
2019.5.15 19:00

及川光博「ライブはゼロからの世界創造」

1996年にシングル『モラリティー』でメジャーデビューして以降、その煌びやかなルックスと個性的なキャラクターで人気の、ミッチーこと及川光博。ドラマ『相棒』シリーズや映画『七つの会議』など、役者としても活躍しているが、なにより彼の魅力は、毎年おこなわれている、徹底的にショーアップされたライブだ。今年も3月からワンマンショーツアー『PURPLE DIAMOND』をスタートさせた及川に話を訊いた。

写真/渡邉一生

「ライブのイメージをゼロから実現できる空間」(及川光博)

──これまではアルバムを携えてのツアーが多かったですが、今回のワンマンショーツアー『PURPLE DIAMOND』はリリースを伴わないツアーですね。

僕のキャリアのなかでは珍しいタイプのツアーですね。それだけに、新旧のナンバーを織り混ぜて、曲調も幅広く、楽しんでいただけたらなと。やっぱり20年以上前の楽曲をやると、客席からどよめきやため息がもれたりするんですよ。そういう反応もうれしいですね。当時の未熟な僕が作った楽曲ですけども、歌詞とメロディのクオリティには納得しているので。それを、現在の僕が歌うという楽しみもありますね。

──なつかしのナンバーを、今歌う楽しみがあると。

まず、革命的にレコーディング作業が違う。当時はマルチテープ(複数のトラックを録音できる)で、チャンネル数も限られているし、いちいち時間がかかったんです。プロ・ツールス(オーディオ編集のソフトウェア)が一般化する前は、レコーディングに時短なんて無かったわけですよ。手間ひまをかけて作っていた当時の青臭い思いも、現在の僕の歌にも籠もっているんじゃないかなって。

「当時の青臭い思いも、現在の僕の歌にも籠もっている」と及川光博画像一覧

──プロ・ツールスによってエディットや修正が可能になって、格段にレコーディングが便利になったわけですが、昔のアナログなスタイルの方がややもすれば、いい緊張感がありましたよね。

そうなんだよね。1曲トラックダウンするのに徹夜は当たり前、みたいな時代でしたから。当時、僕の場合はボーカル用に残されているのが、3チャンネルくらいしかなくて。そのなかで、どうベストを尽くすか試行錯誤して。現在はもっと楽に作業ができる時代ですけど、その頃に経験した努力や悔しさというのは、僕にはとてもプラスになっている。今は機材的に何百回でも録り直しができるんだけど、いまだに僕のボーカルテイクは3チャンネルです。

──3チャンネルという制限があるからこそ、いい歌が歌えるという。

たとえば、プロ・ツールスみたいなソフトを使えばいくらでもデータの書き換えが可能で、下手な歌でも上手になったりする。その究極がボーカロイドでしたっけ? もはや人間の声じゃないんですけど、僕はそれに抵抗感があるから。ちょっと古くさい表現になってしまうけど、魂を込めるしかない。テクニックを聴いて欲しい、わけじゃないから。時代にモノ申すわけじゃないけど、便利過ぎたところで、自分の実になるのかどうかっていうのはあるから。

──その姿勢は、当然ライブにも通じてきますか?

もちろん。経験値って、経験しないと高まらない。上がらないし。だって、経験値って言うくらいだから(笑)。場数というのは大きいと思います。お客さまの前に立ったら、一期一会。そのためにも、いろんなケースに対応できる店主でありたいというか、その経験値を持っていたいかなぁ。

──難しいところですよね。場数を踏まないと対応力は効かないし、その一方で、慣れというのを排除しなければ、一期一会を楽しめないわけですから。

1000人、2000人という今夜のお客さまが、もう1回集まるということは2度と無いですからね。しっかり掴んでいきますよ。登場シーンからしっかり客席の、今夜限りのムードを把握する。真摯に向き合うというのは、そういうことだと思いますね。

──今では役者業やそのほかの仕事も多忙ですが、そんななかでも、ことさらライブにはこだわられてきたと思うんです。及川さんのなかで、ライブというものはどういう位置づけになるんですか?

う〜ん、世界創造ですかね(笑)。要は自分のイメージをゼロから実現できる空間。もちろん、コンサート会場自体に手は加えられないですけど、僕が学んできたことや、影響を受けたあらゆる芸術、そして、リアルタイムのメッセージ。さらに、美意識、センスというものの集大成ですよね。

──その世界創造において、今回の『PURPLE DIAMOND』はどこから?

閃きとしか言いようがないんですけど、「紫」をテーマカラーにしようというのが先にありました。衣裳のコンセプトは社交ダンスパーティー。社交ダンスはご存じの通り、ラテンもあれば、タンゴもある。女子メンバーの衣裳からどんどんイメージが出てきて。紫はもともと好きな色なんですが、やはりプリンスのイメージカラーでもあるし、僕自身のモチベーションも上がるという。まあ、色っぽいショーにしようというところからのスタートですよね。

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及川光博ワンマンショーツアー2019『PURPLE DIAMOND』

日時:2019年6月22日(土)・23日(日)
会場:オリックス劇場
料金:指定席8200円、ゴーゴー!シート5500円、サイコー!列シート3000円(未就学児入場不可)
電話:0570-200-888
URL:http://www.oikawa-mitsuhiro.com/live/

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