世界最大級の「だ太鼓」、平成大修理が完

2019.3.31 06:00

メディアに公開された、美術院「国宝修理所」による鼉太鼓組。花山院宮司は「自然光の方が迫力があり、陰影が出てくる」と特別に自然光での撮影が許可された

(写真3枚)

「春日大社」(奈良市春日野町)の『鼉太鼓(だだいこ)』(重文)が、約4年にわたる大修理を経て、4月1日より初公開。それに伴い27日、鼉太鼓の組み立作業の様子がメディアに披露された。

約110年ぶりにクリーニングや漆地・彩色の剥落止めなどの大修理を経て復活した鼉太鼓。「春日大社」の花山院弘匡宮司は 「南都楽所により、およそ800年間使われ、奈良の社寺でおこなわれてきた法要を見てきた生き証人。多くの方に見て欲しい」とその思いを語った。

楽器・工芸品としては世界最大級の大きさを誇り、総高6m58cm、総重量1434kg(どちらも台座含む)。右方(鳳凰)と左方(龍)の一対で屋外の舞楽演奏に用いられるものだが、先に修理が終わった左方は2018年に「奈良国立博物館」(奈良市登大路町)で先行披露され、両方そろっての公開は今回が初となる。

今まで肉眼で確認できなかった金箔押しや彩色がかなりの箇所残っていることが確認された

鎌倉時代に源頼朝の寄進と伝わり、今回の修理でおこなわれたX線調査では「平安末期~鎌倉初期頃(12世紀末)」と制作年代が判明。伝承ともずれが無い事がわかった。「奈良国立博物館」の清水健さんは、「平氏による南都焼き討ちで元々の鼉太鼓が焼失し、鎌倉期の復興作業のなかで作られた可能性が高い」と説明。制作者は不明だが、龍や鳳凰の彫刻に見られる躍動的で立体的な表現等から、復興に携わった慶派の関与が考えられるという。

初公開記念の特別展は、「春日大社国宝殿」にて9月1日まで。なお、特別展後も1977年に復元された現代の鼉太鼓と新旧あわせて常設展示されるとのこと。

取材・文・写真/いずみゆか

特別展『鼉太鼓<Da-daiko> 超迫力の鎌倉彫刻、復活した世界最大級の太鼓』

期間:2019年4月1日(月)~9月1日(日)※6/12休
時間:10:00~17:00(入館は〜16:30)
会場:春日大社国宝殿(奈良市春日野町160)
料金:大人500円、高大生300円、小中生200円
電話:0742-22-7788

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