「フェルメール展」開幕、大阪のみ展示も

2019.2.15 19:15

第6章「光と影:フェルメール」より、フェルメール作品。右:《取り持ち女》(日本初公開)、左:《マルタとマリアの家のキリスト》

(写真6枚)

昨年、東京で開催され大人気を博した『フェルメール展』が、ついに大阪に。会場は「大阪市立美術館」(大阪市天王寺区)で、2月16日よりおこなわれる。

本展は、オランダ絵画黄金期を代表する巨匠ヨハネス・フェルメール(1632~1675)の作品6点を中心に、同時代の作品45点で17世紀オランダ絵画の魅力を紹介するもの。肖像画、風景画、風俗画など6章からなり、フェルメールは最後の第6章で展示されている。

大阪展のみの展示 ヨハネス・フェルメール《恋文》 1669-1670年頃 油彩・カンヴァス 44×38.5cm アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Purchased with thesupport of the Vereniging Rembrandt, 1893

フェルメールの作品は室内と人物を描いた作品が多く、考え抜かれた構図、精密な筆遣い、穏やかな光の表現など、卓越した完成度を誇っている。また、現存作品が35点と希少なことから、特別な存在として世界中で人気を集めている。

日本初公開 ヨハネス・フェルメール《取り持ち女》 1656年 油彩・カンヴァス 143x130cm ドレスデン国立古典絵画館 bpk / Staatliche KunstsammlungenDresden / Herbert Boswank / distributed by AMF

大阪展で見られるのは、彼が初めて手掛けた風俗画『取り持ち女』(日本初公開)、初期の宗教画『マルタとマリアの家のキリスト』、大阪展のみ展示される『恋文』のほか、『リュートを調弦する女』、『手紙を書く女』、『手紙を書く婦人と召使い』の6点。いずれの作品も素晴らしく、やさしい光に包まれた穏やかな空間と、そこで繰り広げられるドラマの一場面にうっとりさせられた。

一方、フェルメール以外にもヘラルト・ダウ、ピーテル・デ・ホーホなど見ごたえのある作家の作品がそろっており、作品数こそ少ないけれど、充実感たっぷりの展覧会に仕上がっている。今年の冬から春にかけて最注目の展覧会なのは間違いない。料金は一般1800円、期間は5月12日まで。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『フェルメール展』

期間:2019年2月16日(土)~5月12日(日)※休館日あり
時間:9:30~17:00(入場は閉館の30分前まで)
会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
料金:一般1800円、大学・高校生1500円
電話:06-4301-7285(なにわコール・8:00~21:00)

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