2018年・上半期、日本映画ベスト3

2018.8.26 22:00

左からミルクマン斉藤、田辺ユウキ、春岡勇二の座談会メンバー

(写真3枚)

「とにかく突出して、俺の上半期ベスト1」(斉藤)

──ベスト3はどんな感じにまとまりそうですか?

斉藤「あれ忘れてるやん、岩切一空監督の『聖なるもの』

田辺「あ、観たのが去年やったから忘れてますね」

斉藤「公開は今年の4月やん。とにかく突出して、俺の上半期ベスト1」

田辺「超若手の監督なんですけど、2017年の『MOOSIC LAB』でグランプリを獲ったんですね。美少女を主人公にした作品を撮る、というフェイクドキュメンタリーなんですけど、絵作りからなにまで計算し尽くされていて。岩切監督は、久しぶりに出てきた怪物。僕、審査員をしてたんですけど、断トツでこれを推しましたね」

春岡「俺、観てないんだけど、そんなにいいの?」

斉藤「大衝撃ですよ。劇場公開されたのはまだ2本。早稲田大出たばっかりやから」

春岡「すべて撮り尽くされたと言われる映画界に、新しい才能が出てきたと」

斉藤「そう。フェデリコ・フェリーニと庵野秀明が好きというのはよく分かるけど、醜男のフェリーニは自分の欲望をマルチェロ・マストロヤンニに託して、それでマスターベーションしてたでしょ。でも岩切一空は自らが出演して、醜態を晒しながら欲望を完遂する」

© 2017「聖なるもの」フィルムパートナーズ

田辺「映画は、謎の美少女が出てくるんですけど、今も謎なんですよね。居るのかどうかすら分からない」

斉藤「まあ、居るみたいなんだけど(笑)。でもすべて企まれているという」

春岡「そうあるべきだよ、表現なんだから。たまたま出来たように見えて、実は作った人間は考えて表現しているんだから」

斉藤「言ってみればフェイク・ドキュメンタリーなんだけど、途中でそれさえも超えていくのが爽快なんよね。これはなんだ?と思っていたら、次第に学生映画のパロディみたいになってくる。そう思って観てたら、さらにその上を走り抜ける」

田辺「そうそう。こっちの浅はかな考えなんて通用しないんですよ。この監督が世に出ないようであれば、日本映画は終わりですよ、ホントに」

斉藤「しゃべってると、頭がいいのは分かるけど常人なんだよ、2人とも(笑)。一空くんと紗良ちゃんの漫才をツマミに飲んだのが、今年の高松・さぬき映画祭の最大の収穫。なんせ一空くんに会いに行ったようなもんだからね」

田辺「面白い若手はいろいろいますけど、岩切一空というバケモノを前にすると、何も行けなくなるくらいですからね」

斉藤「いや、ホントにスゴい。僕は『聖なるもの』が1位でいい」

田辺「全然いいですね」

──では、1位は岩切一空監督の『聖なるもの』。

田辺「2位はどうします?」

春岡「『ちはやふる ー結びー』も捨てがたいよな」

斉藤「いいんじゃないですか、2位に『ちはやふる ー結びー』。もう分かってるしね、白石和彌監督や吉田恵輔監督が面白いのは」

田辺「じゃあ、3位に『リバーズ・エッジ』を入れたいですね。行定勲監督はもっと評価されて欲しいから」

春岡「いいじゃん、1位『聖なるもの』で2位に『ちはやふる ー結びー』、3位に『リバーズ・エッジ』。なかなか面白い並びになってるじゃん」

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