大阪で、ロシア発フランス風景画の名品展

2018.7.29 09:00

第1章「近代風景画の源流」より、右からジャン=バティスト・マルタン《ナミュール包囲戦》17世紀末-18世紀初め、アダム・フランス・ファン・デル・ムーラン工房《ルイ14世の到着》17世紀末

(写真5枚)

「国立国際美術館」(大阪市北区)で、モスクワにある「プーシキン美術館」から同館が誇るフランス絵画コレクションのうち、17世紀から20世紀の風景画の名品65点が来日し、10月14日まで展覧会がおこなわれています。

展覧会は2部構成となっており、時代や地域を軸にフランス近代風景画の「深まり」と「広がり」を明らかにします。第1部「風景画の展開」では、17世紀から19世紀半ばまでをカバー。物語の背景に過ぎなかった風景表現が、ありのままの自然を描く写実主義やバルビゾン派の登場により、絵画の1ジャンルとして確立されるまでを紹介します。

第4章「パリ近郊-身近な自然へのまなざし」より、クロード・モネ作品3点。左から《ジヴェルニーの積みわら》1884-1889年、《白い睡蓮》1889年、《陽だまりのライラック》1872-1873年

第3章からスタートする第2部「印象派以後の風景画」では、大都市パリの風景画に始まり、パリ近郊を描いた フランス印象派の作品、南仏、海外、さらには想像の世界まで、風景画の枠組みが広がって行く過程が分かります。どのセクションも名品揃いで見応えがありますが、特に盛り上がりを見せるのは、第3章「大都市パリの風景画」から第5章「南へ-新たな光と風景へ」にかけてです。ルノワール、モネ、シスレー、マティス、ヴラマンク、セザンヌといった巨匠たちが次々に登場し、観客の目を釘付けにするでしょう。また、ゴーガン、ルソー、ドニなどが登場する第6章「海を渡って/創造の世界」は20世紀の作品が中心となっていますが、それまでの章から画風が急激に変化しており、そのギャップにも驚かされます。

ロシアの美術館が所蔵するフランス絵画を日本で堪能する。こう書くと何とも不思議な図式ですが、名画を見る喜びは国籍を問いません。絵画ファンにとってこの夏随一の展覧会と言って差し支えないでしょう。料金は一般1500円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『プーシキン美術館展──旅するフランス風景画』

期間:2018年7月21日(土)〜10月14日(日)※月曜休(8/13・9/17・24・10/8開館、9/25休館)
時間:10:00〜17:00(金土曜〜21:00)※入場は閉館30分前まで 
会場:国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55)
料金:一般1500円、大学生1200円、高校生600円、中学生以下無料(要証明)
電話:06-6447-4680(代)

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