赤と青がテーマ、滋賀でユニークな展覧会

2018.7.9 12:00

ベス神形容器 エジプト 前7-前6世紀 エジプシャンブルー MIHO MUSEUM蔵 ※青い作品

(写真3枚)

「MIHO MUSEUM」(滋賀県甲賀市)で開催中の展覧会『赤と青のひみつ 聖なる色のミステリー』は、同館が初めておこなう親子向けの体験型企画展です。赤と青、2つの色に注目し、美術と色の関係に迫ります。

現代の我々は彩りや飾りを意識して色を用いますが、太古の人にとって色は自然そのものでした。人間が自分の身体や物に着色するのは、自然のエネルギーを受け取る呪術的行為だったのです。特に「赤」と「青」は、特別な意味を持つ「聖なる色」でした。赤は血の色、肉の色、太陽の色であり、生命の躍動を象徴しています。一方、青は希少な鉱物から作られるため人々の憧れとなり、赤とは対照的に、静けさ、永遠性、超越性を象徴しています。

伊藤若冲筆 達磨図 江戸時代 18世紀 絹本著色 MIHO MUSEUM蔵 ※赤い作品

本展では、MIHOコレクションなどから選りすぐった古代美術、中世・近世美術を赤と青に分けて展覧し、人類がどのように色と向き合ってきたのかを紹介します。出品は、赤い作品が約45点、青い作品が約80点の計約125点。古代エジプトのペンダント、中国・前漢時代の杯、日本の古墳時代の埴輪、日本や中国の陶磁器など、さまざまな時代・地域の美術工芸品が見られます。また、修復を終えた伊藤若冲の絵画「達磨図」が、赤い作品の一つとして展示されるのも見どころです。

親子向けの体験コーナーも設けられており、フェイスペインティングをする、アクセサリーを身に着ける、聖なる石に触れる、クイズラリーをおこなうといったコーナーが予約不要で楽しめます。さらに、展示ツアーや複数のワークショップも予定されており(要事前予約)、お楽しみが満載。親子で夏の思い出を作るのにピッタリの展覧会です。期間は8月26日まで、料金は一般1100円、中小生300円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『赤と青のひ・み・つ-聖なる色のミステリー』

期間:2018年6月30日(土)~8月26日(日)※月曜休(7/16開館、7/17休館)
時間:10:00~17:00 ※入館は16:00まで 
会場:MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300)
料金:一般1100円、大高生800円、中小生300円
電話:0748-82-3411

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