孤高の日本画家・田中一村、滋賀で回顧展

《秋晴》1948年 田中一村記念美術館蔵 ©2018 Hiroshi Niiyama
独自の新しい日本画を求めて孤高の生涯を送った画家、田中一村(1908〜1977)。その画業を展観する『田中一村展』が、7月14日から「佐川美術館」(滋賀県守山市)でおこなわれます。
田中一村は栃木に生まれ、幼少期から南画(中国の南宋画に由来するジャンル)の神童と呼ばれていました。しかし23歳のときに南画と決別し、新しい絵画を目指します。30歳で母方の親戚を頼って千葉に移住。同地で約20年間にわたり農村の風景や自然、動植物を描きました。その間に画壇への挑戦を試みるもことごとく落選。50歳で奄美大島に渡ると、染色工として働きながら南国の大自然や花鳥画を描くようになります。ついに独自の画境に達した田中一村。しかしその存在を中央画壇に知られることはなく、69歳で無名のまま生涯を終えたのです。彼が注目されるようになったのは、没後7、8年が経過した1980年代半ば以降のことです。

関西で10年ぶりの大回顧展となる本展では、幼少期から青年期にかけての南画、新しい日本画を目指した千葉時代の作品、奄美大島の大自然や南国の花鳥を描いた作品など約150点を展覧。生活のために描くことを良しとせず、「本道と信ずる絵」を生涯かけて追い求めた田中一村の生涯を代表作でたどります。期間は9月17日まで、料金は一般1000円。
文/小吹隆文(美術ライター)
『開館20周年特別企画展 生誕110年 田中一村展』
期間:2018年7月14日(土)~9月17日(祝・月)※月曜休(7/16・8/13・9/17開館、7/17休館)
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
会場:佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
料金:一般1000円、大高生600円、中学生以下無料
電話:077-585-7800
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