マサラ上映に見た、地方映画館の在り方

2018.6.9 18:00

「インド映画は盛り上がってなんぼやから、ブームがきてうれしい」という衣裳もバッチリの女性グループ

(写真6枚)

塚口サンサン劇場で『バーフバリ』のマサラ上映

爆発的ヒット中のインド映画『バーフバリ』のマサラ上映が2日、兵庫の「塚口サンサン劇場」(尼崎市)でおこなわれた。「マサラ上映」とは、インド映画を踊ったり、紙吹雪をまいたり、クラッカーを鳴らしたりして楽しむ、体感型の鑑賞スタイルのこと。大阪「動物園前シネフェスタ」(2007年閉館)が、マサラ上映の発祥と言われている。

この日、上映の30分前に取材チームが訪れると、地下1階のフリースペースでは、インドの民族衣装に着替えたり、鳴り物や小道具の準備をしたり、出張のカレー給水所でラッシーやチャイを楽しんだりと、明らかに「マサラ上映」目当ての観客でごった返していた。劇場スタッフもみんな民族衣装に身を包んで接客、売店では「王を称えよ!」というステッカーが張られた紙吹雪セット(100円)が売られている。その風景は、合理化・自動化が進んだ今の映画館ではなく、ひと昔前の「映画=娯楽」だった時代のよう。その熱気に比例し、チケットも即完売だったとか。

劇場入口に飾られたペーパーフラワーの奥には等身大のバーフバリが!

ほのかにお香が焚かれた劇場に足を踏み入れると、玉座にたたずむ主人公・バーフバリの等身大パネルがお出迎え。席に着いた観客たちの足もとには、スーパーの袋のようなものに大量の紙吹雪が見え隠れし、スクリーンには「マサラ上映」の聖地と化した「塚口サンサン劇場」の歩みが流されている。すると、中央の花道を踊りながら進む、民族衣装の男女の姿が。実はこの2人は劇場スタッフで、前説のために登壇。映画の上映前といえば「No More 映画泥棒」が定番だが、この「マサラ上映」では、2人が模していた踊りの意味、一緒に盛り上がりましょう、最後にみんなで記念撮影します、という前説がある。そして、観客が絶叫と鳴り物をスタンバイさせ、いよいよ「マサラ上映」はスタート!

民族衣装に身を包んだ劇場スタッフによる前説、すでに大盛り上がり

この日上映されたのは、インド映画史上歴代最高興収を記録した『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』。古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」をベースに描かれた、伝説の戦士バーフバリの3代にわたる壮絶な愛と復讐のドラマで、現在世界中でバーフバリ旋風が吹き荒れている。まるで日本の大河ドラマのような壮大な物語は知識ゼロでも十二分に没入できるし、なにより、今や国際的スターとなった主演のプラバース、王妃から老婆までを巧みに演じたアヌシュカ・シェッティをはじめ、次々と登場する魅力的なキャラクターは、インド映画界の懐の深さを改めて思い知らされるほどだ。



映画『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』
2018年6月1日(金)公開
監督:S.S.ラージャマウリ
出演:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、ほか
配給:ツイン
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「塚口サンサン劇場」
兵庫県尼崎市南塚口町2-1-1-103

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