究極のリア充写真家、京都で回顧展

2018.4.19 08:00

フロレットの手 ブリー・ル・ネフィエ 1961年 Phorographie Jacques Henri Lartigue ©Ministère la Culture-France/AAJHL

(写真4枚)

日仏友好160周年、京都市とパリ市の友情盟約締結60周年を記念して、フランスの偉大なアマチュア写真家ラルティーグの個展が、4月21日から「細見美術館」(京都市左京区)でおこなわれます。

ジャック=アンリ・ラルティーグ(1894~1986)は、パリの非常に裕福なブルジョワ家庭に生まれました。7歳の時に父から三脚付き暗箱カメラ(当時、庶民には手の届かない超高級品だった)を与えられた彼は、家族、友人、恋人、社交界の着飾った婦人たち、自動車、飛行機、大好きな猫など、自分の身の回りの幸福な情景を撮影。図らずもそれらは、フランスの古きよき時代を切り取った記録となり、現代の我々が見ても憧れを抱くハイライフの記憶となりました。

ダニとミションとボビー、フリボールクラブにて カンヌ 1936年5月 Phorographie Jacques Henri Lartigue ©Ministère la Culture-France/AAJHL

彼はアマチュア写真家であり、あくまでも自分や身の回りの人々のために写真を撮っていました。しかし1963年、ラルティーグが69歳の時に状況が一変します。彼の作品の価値に気付いた人々が現れ、「ニューヨーク近代美術館」で大規模な回顧展が行われたのです。この展覧会は大評判となり、その後世界各地で展覧会や写真集の出版が相次ぎました。今では彼の名は、フランスを代表する写真家の一人として写真史に刻まれています。

ぼく(パパ撮影) ボン・ド・ラルシュ 1903年 Phorographie Jacques Henri Lartigue ©Ministère la Culture-France/AAJHL

本展では、彼の幼年時代から晩年までの代表作が展覧されるほか、カラーの作品が日本初公開されます。人生の歓びがいっぱい詰まったラルティーグの作品は、今風に言えば「究極のリア充」。誰もが幸せな気分に浸れるでしょう。料金は一般1300円、期間は6月3日まで。

文/小吹隆文(美術ライター)

『永遠の少年、ラルティーグ-写真は魔法だ!-』

期間:2018年4月21日(土)~6月3日(日)※月曜休(4/30開館、5/1休館) 
時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで 
会場:細見美術館(京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
料金:一般1300円、学生1000円
電話:075-752-5555

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