世界初・国芳「金魚」も、江戸の戯画展
太平の世が続いた江戸時代には戯画が発達しました。戯画と言ってもさまざまなものがありますが、そのひとつ「鳥羽絵」に注目して江戸時代の戯画を紹介する特別展『江戸の戯画』が、4月17日から「大阪市立美術館」(大阪市天王寺区)で始まります。
【2018/4/17記事更新】イタリアで発見された作品も、日本で9図が初公開された国芳の金魚
「鳥羽絵」は広く戯画や漫画を指す言葉ですが、狭義には18世紀に大坂で出版された「鳥羽絵本」を指します。そこに描かれる人物には、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴が。また、鳥羽絵の「鳥羽」とは、国宝「鳥獣人物戯画」を描いた鳥羽僧正覚猷にちなむとも言われています。
鳥羽絵は近代まで人気を博しましたが、上方だけでなく江戸時代後期の浮世絵にも大きな影響を与えました。本展では、大坂を中心に人気となった鳥羽絵本、鳥羽絵を洗練させたと言われる大坂の耳鳥斎、江戸の葛飾北斎と歌川国芳、その流れを汲む河鍋暁斎らの作品約280件で、江戸時代の庶民に愛された戯画の魅力に迫ります。
なかでも戯画の名手と呼ばれた国芳の「金魚づくし」シリーズ全9図が世界で初めて勢ぞろいするのは大きな話題となるでしょう(前期展示のみ)。江戸時代の庶民が愛したユーモアを、肩ひじ張らずに楽しみましょう。料金は一般1400円、期間は6月10日まで。
文/小吹隆文(美術ライター)
特別展「江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」
期間:2018年4月17日(火)~5月13日(日)、5月15日(火)~6月10日(日)※月曜休(4/30、5/1開館)
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82)
料金:一般1400円、大高生1000円、中学生以下無料
電話:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター、年中無休、8:00~21:00)
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