関西で楽しむ、桜の名所(京都編)

2018.3.28 21:00

古くは『万葉集』に登場し、その後も歌に詠まれるなど、古来より多くの人に愛されてきた桜。そんな桜の下で宴を交わす『花見』は、元は貴族の遊びのひとつ。庶民に定着したのは、江戸染井の植木屋が移植・栽培が容易で生長な品種・ソメイヨシノを各地に普及させた江戸時代以降なんだとか。さて、いつもより早咲きの桜、今年はどこで春を迎えますか?

【関西各地の桜の名所をご紹介 京都編】

●文人も愛した見事なシダレサクラ
平安神宮(京都市左京区)


■例年の桜最盛期 3月下旬~4月中旬
桓武・孝明両天皇を祀り、時代祭で有名な神社。神苑の桜は30種約300本。小説『細雪』で「京洛の春を代表するもの」として谷崎潤一郎が絶賛した、神苑に入ってすぐのヤエベニシダレは、いまも訪れる人の感動を誘っている。4月には西神苑の澄心亭での「観桜茶会」、「紅しだれコンサート」などを開催。また、桜の時期限定でピンク色の「桜(はな)みくじ」300円も授与される。(京都市左京区岡崎西天王町97/参拝無料)

●十石舟からの優雅な水上のお花見体験を
琵琶湖疏水(京都市左京区)


■例年の桜最盛期 4月上旬
みやこめっせや、ロームシアター京都を流れる琵琶湖疏水は、春になるとたくさんの桜が水面に映り込み、すがすがしい美しさに包まれる。3月24日〜5月6日までは春の風物詩『岡崎さくら・わかば回廊十石舟めぐり』(9:30〜16:30発・25分)で水上からのお花見ができる(岡崎桜回廊ライトアップ期間は3月30日〜4月10日まで/8:00〜20:30発)。南禅寺舟溜り乗船場と夷川ダムの往復約3キロメートルのお花見運航はとても優雅(乗り場は京都市動物園の対岸)で15分に1便出発。乗船料は大人1200円 、ほか。(京都市左京区南禅寺草川町)

●武将たちも花見の宴を催した名所
熊野若王子神社(京都市左京区)


■例年の桜最盛期 3月下旬~4月上旬
哲学の道の起点である南端、若王子橋のすぐそばにある神社。熊野神社、新熊野神社とともに「京都三熊野」のひとつであり、安全祈願や縁結びの神様としても人気を集めている。この周辺は室町時代に、足利尊氏・義政が花を愛でる宴を開いたと伝えられている桜の名所で、桜花苑には60本の桜が咲く。(京都市左京区若王子町2)

●鉄道ファンにも人気の花見散歩コース
蹴上インクライン(京都市左京区)


■例年の桜最盛期 3月下旬~4月上旬
明治期に敷設された傾斜鉄道跡地であるインクライン。台車に船を乗せて、高低差約36メートルの琵琶湖疏水の急斜面を移動させていたそうだ。全長582メートルにわたって残る線路に沿って約90本のソメイヨシノがずっと続く風景は、どこかノスタルジック。やがて合流する岡崎疏水まで、レールの上を歩いて風情を楽しもう。

●世界遺産のお城と桜、豪華な競演
元離宮二条城(京都市中京区)


■例年の桜最盛期 4月上旬
徳川家の京都滞在時の居城として造営され、世界遺産に登録されている元離宮二条城。広大な城内に咲く桜は約50種、300本。本丸御殿(重要文化財)の南側にある桜の園は里桜、二の丸御殿(国宝)北側の清流園はヤマザクラが中心、そして城内西側ではヤエベニシダレなどが鑑賞できる。4月15日まで夜間ライトアップも開催。18:00~21:00に城内が華麗な光の演出に包まれる。和装で訪れると入城無料に。京都市中京区二条通堀川西入二条城町541/入城料=一般600円、中・高校生350円、小学生200円)

●広大な境内で華やかさを競う桜の数々
知恩院(京都市東山区)


■例年の桜最盛期 3月末~4月上旬
法然上人が開宗した浄土宗の総本山。「知恩院」といえば24メートルと日本一の高さを誇る国宝・三門。境内に咲き誇る約220本の桜のうち、三門前や阿弥陀堂周辺のソメイヨシノが見どころのひとつ。また、東山の湧き水を引き入れた庭園と枯山水の庭園で構成された「友禅苑」(拝観料要)のシダレザクラも見事だ。(京都市東山区林下町400/境内拝観無料)

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