アインシュタイン優勝、河井の手腕光る

初めて掴んだ念願のタイトルに「何とか優勝できてよかった」と河井(右)
3月2日におこなわれた『第48回NHK上方漫才コンテスト』で、稲田直樹と河井ゆずるによるアインシュタインが優勝。彼らのタイトル獲得は、まさに三度目の正直だった。
結成は2011年。かわいらしい笑顔の河井とインパクト抜群の稲田という、180度キャラの異なるピン芸人ふたりによるコンビ結成は、当時大きな話題を呼んだ。
漫才では、稲田が持ち前の見た目と強気の「おらおらキャラ」で妄想を炸裂。そんな稲田を自由に泳がせ、妄想の行く末を見守る河井。同コンテスト審査員を務めたユウキロックが、「稲田くんは僕が今まで見てきたなかで一番ブサイク芸人。それだけに提供の仕方が難しいが、河井くんがうますぎる」と評価するように、フルスロットルで暴走する稲田を、河井が常に心地よくハンドリングしている。
2016年には、舞台やメディアでの活躍を総合的に称える『第1回上方漫才協会大賞』を受賞するなど、実力は認められているもののコンテストの決勝は1回戦敗退・・・と何度も涙を飲んできた。裏切らない見た目、取りこぼしのないツッコミ、MCやロケでも必ず笑いをとり、ノンストレスで運ぶ。レーダーチャートはいつも美しい五角形だ。だが、その安定感がいま一歩、タイトルから遠ざけていたのではないだろうか。

同コンテストには3年連続で決勝に進出しながらも、昨年は決勝1回戦でピン芸人のゆりやんレトリィバァに敗退。「負けて悔しい思いをした」と河井の発言にあるように、今回は相当な意気込みで本選に挑んだ。最終決戦は、図らずもボケ続けるインディアンス・田渕と稲田のキャラ対決という構造に。結果は審査員票6対1とアインシュタインが圧勝。「いつも以上にキモさも増した」と稲田がいうように、彼ら自身が自らを越えて出した結果だ。
漫才はいつもうまい。それだけに観る者に安心感を与え、二番手、三番手に落ち着いていた彼ら。今回の優勝でそのうまさは周知の事実となった。だからこそ、この勢いでさらに自らを越え、もっともっと強烈なアインシュタインを見せてほしい。
取材・文・写真/岩本和子
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