ビューティーフロア殺到、阪急うめだ本店の戦略

2018.2.27 08:00

週末の夕方、クリスマスや新色が登場するシーズンはさらに混雑する

(写真3枚)

ほかの百貨店に比べて、別格な賑わいをみせる「阪急うめだ本店」(大阪市北区)の化粧品売場。3月1日に、リニューアルをおこない、同28日に総合的なビューティサロン施設をオープンと快進撃を続ける秘密を、ビューティ営業統括部の化粧品担当部長の藤尾瑞子さんに訊ねた。

【20158/3/28記事更新】大人の女性に向けオープンしたビューティサロン。カフェも併設

【幅広く、国内外で化粧品ブランドをアピールする】

きっかけは2012年11月のグランドオープン。ブランドの充実、ほかにはない新規ブランド、阪急限定商品などを打ち出し、大きなターニングポイントとなったのは百貨店内外でのイベントだ。「百貨店のコスメカウンターはハードルが高いことも。そんな人たちに向けて『体験』をキーワードに積極的にイベントをおこなってきました。キレイになるという実感を味わっていただこうと思ったのです」と話す藤尾さん。

そのため、テーマを設けて複数のブランドを提案したり、メイクアップアーティストのイベント、特別感のある「クリスマスパーティー」、最近では元AKB48の渡辺麻友を卒業後初のイベントに招聘。百貨店外では、近くの阪急梅田駅前にある「BIG MAN」でのお試しイベントや、遠くは福岡・博多でもおこなっている。

「いろんな接点を作ることが大事だと考えました」と、関西とは関係なさそうな遠方の場所でもイベントをおこなうことで認知度をアップ。また、当日には、SNSでアップしたくなる内容、写真映えするコーナーを作ることも重視。百貨店自らが、積極的にSNSで発信することによって、広域から、ひいてはアジアからの集客にもつながった。

【混雑すると、さらに賑わう法則。そして、対応策】

例えば、お客が少ない飲食店よりも、混雑している店の方が安心して入りやすい。それは、コスメカウンターでも同じ。売り上げの数字は公表していないものの、フロアを見ると好調ぶりが分かる。藤尾さん曰く、「少々人がいる方が『私が好きなブランドは人気がある』という満足感がある」。と、その言葉通り、ほかの百貨店に行けば並ばずにすむかもしれないが、ここでは整理券を配布するほど行列ができている。

そこで、待ち時間も満足できるように、自由にブランドの垣根を越えてコスメ用品を試せる「きれいきれいステーション」を設けたり、イベントスペースでお試しイベントも開催。また、待たずに受け取れるインターネットで予約する「店頭受け取りサービス」を設けている。混雑してても、訪れる理由を「限定の商品がお目当てのこともあるけれども、人気店には優秀なスタッフさんが集っていることが多いので、メイクのアドバイスも最新のものを教えてくれそう」と、40代の女性客は同店への期待値を語る。

高級ラインのフロアを変更し、ゆったりしたキャビンを併設
高級ラインのフロアを変更し、ゆったりしたキャビンを併設

【人気だからこその次なるステップ】

気付けば、2階の化粧品売場だけでは混雑を対応しきれずに、需要に合わせてフロア別に配置することに。「2階はこれまで通り、わくわくするトレンドのフロア。6階は、肌の悩みにじっくり悩みに向き合いたい人にとって、お手入れの相談もしやすいフロアに。10階は敏感肌などの人に向けてお悩み解決法を提案できるドクターズコスメを」と説明。そのため、高級ブランド「シスレー」「ヘレナ ルビンスタイン」「ラ・プレリー」を1月に、2階から6階へと移設。各ブランドで、トリートメントを受けられるキャビンを併設し、上質なケアをゆっくり受けられるようにした。

そして、さらに若い層に向けて、3月1日から新たな「きれいきれいステーション」を設け、スキンケア化粧品のお試しも提案することに。「スキンケアは肌に合うかが大事。ただ、ブランドを比較するのは難しいし、新しいものに切り替えるにはきっかけがいる。通常であればカウンターでじっくりお試ししてもらうところを、自分でできるように。デジタル世代に向けて、『クイック・シンプル・ファン』をキーワードに新設しました」。

これまでのメイク用品に加え、スキンケアを扱う「きれいきれいステーション」を新設
これまでのメイク用品に加え、スキンケアを扱う「きれいきれいステーション」を新設

売るものは「商品」が基本だったが、美容に向けて「時間の過ごし方」にも着手した同百貨店。「大人になっていくと、スキンケアだけでは補えなくなってくる。もっと体ごと深く向き合えるサービスが必要だと感じた」と、さらに一歩先を提案するため「阪急グランドビル」に『HANKYU BEAUTY SALON』を3月28日に設ける。こちらは、エステだけでなく、ヘアサロン&スパ、加圧やエクササイズまで体験できるサロンが1フロアに集結した施設だ。

「混んできたからのリニューアルではなく、すべての人々の『きれいになりたい』を叶えたい。それが一番大事なんです」と藤尾さんの言葉通り、「阪急うめだ本店」のコスメフロアを突き動かしてきたのは女性の欲望なのだ。

「阪急うめだ本店」

住所:大阪市北区角田町8-7
営業:10:00~20:00(金・土曜は~21:00)※不定休
電話:06-6361-1381(代表)

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