巻き寿司丸かぶり、大阪市此花区が発祥

2018.1.25 20:00

地域経済の活性化やコミュニケーションに貢献できればと、此花区が制作した平成30年のポスターは「咲くやこの花」高校(大阪市此花区)の生徒がデザイン

(写真2枚)

2月3日は節分。1年の節目に当たるその日は、幸運を招く恵方に向かい、心のなかでお願いごとをしながら無言で巻き寿司を食べる「巻き寿司の丸かぶり」。実はこの習わし、大阪市此花区が発祥とされている。

現在は「伝法(でんぽう)」と呼ばれている地域「申村(さるむら)」で、「世念講(よねんこ)」といわれる集まりがあり、地元の若者や船頭衆、川人夫らが夜通し雑談や囲碁・将棋・花札などを楽しんでいた。このとき、空腹時に巻き寿司を食べたが、切り分けていては人数をさばききれず、丸かぶりするようになったという。

此花区郷土史研究資料『伝法のかたりべ』(勝 安男著)

その説は、此花区の郷土史研究資料『伝法のかたりべ』に記載されている。「(省略)昼食夜食は巻寿司を食べることが習わしとなっていました。(省略)『姉さん、切らんとそのままおくれんか。腹が減ってグーグー言うとるわ。上品な食べ方せんでも、みんな顔見知りのもんばっかりや』。(省略)そこで、鮨の丸囓りとなるのでありますが、宿の女房が『あんたら、ちょっと待った』と一声、『鮨をかじるとき、家の神棚に、今年も元気でいられるようにと、拝んでからかじるのんやでぇ』(以下、省略)」。今年の恵方は南南東、無病息災を願って家族そろっていただきたい。

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