次代を担う新鋭作家、京都で競演展

2018.1.26 07:00

左:釜匠《スミレコンゴウインコのキャビネット》(最優秀賞) 右:合掌楓《一輪の塔》

(写真3枚)

京都を拠点に活動する若手芸術家の紹介・発信をテーマに開催される『京都府新鋭選抜展2018  -Kyoto Art for Tomorrow-』が、「京都文化博物館」(京都市中京区)で2月4日までおこなわれています。

本展は、美術館、ギャラリー、ジャーナリストなどの美術関係者が作家を推薦し、選考委員が入選作家を選出、審査委員により、最優秀賞、優秀賞などの受賞作家を決める方式を取っています。今年は45作家が選出されており、10名の作家が11の賞を受賞しました。

左:乾榮里子の《川獺月に愛をなす》(優秀賞) 右:岩井晴香《時の運行》

最優秀賞を受賞したのは、釜匠の《スミレコンゴウインコのキャビネット》です。表現手法自体は決して新しくないものの、立体感や陰影描写を強調した画面構成と、日常的なものを造形力で非日常化し、強烈なインパクトを与える手法が高く評価されました。優秀賞は乾榮里子の《川獺月に愛をなす》。古典絵画に学びながら貪欲に新しい試みを試す姿勢、現代の日本画ではあまり見られない自由さ、大らかさ、実験精神が特徴です。

特別出品作家、塩田千春の《胡蝶の夢》 別館ホ―ルで展示

ほかにも、絵画、写真、立体、陶芸、漆芸など幅広い作品が見られ、優秀な若手作家たちを一度にまとめて見られます。なお、本展では若手作家とは別枠で特別出品作家の展示が別館ホールでおこなわれています。今年はドイツを拠点に活躍している塩田千春が登場。白いベッドと白い毛糸を大量に用いた大規模なインスタレーション《胡蝶の夢》を発表しており、こちらも見逃せません。料金は一般500円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『京都府新鋭選抜展2018  -Kyoto Art for Tomorrow-』

期間:2018年1月20日(土)〜2月4日(日)※月曜休
時間:10:00〜18:00(金曜~19:30、別館ホールは10:00〜19:30)※入場は各30分前まで
会場:京都文化博物館、別館ホール(京都市中京区三条高倉)
料金:一般500円、大学生400円、高校生以下無料 ※別館ホールは入場無料
電話:075-222-0888

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