柚希礼音と加藤和樹W主演、大阪で開幕

国を自由に行き来できたマタ・ハリ(柚希礼音)は、ラドゥー(加藤和樹)からフランスのスパイの任務を依頼される
ミュージカル『マタ・ハリ』が、「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で21日に開幕。韓国でのヒットを経ての日本初演は、新たな演出で戦争の悲惨さや、強く生きる人間の気高さが、色味を抑えた舞台からまっすぐ伝わってくる作品だ。
第一次世界大戦下のヨーロッパで、オリエンタルな魅力を放つカリスマダンサー、マタ・ハリ。女スパイとなり時代に翻弄されながらも、戦闘パイロット・アルマンとの真実の愛を信じて突き進む。

マタ・ハリを演じるのは、元宝塚歌劇団星組トップスターの柚希礼音。辛い過去との決別を歌う『わたしは戻らない』から、フランク・ワイルドホーンの楽曲を高い地声も駆使して伸びやかに歌い上げる。さらに美しい曲線と筋肉を披露する「寺院の踊り」では、ひとつひとつの動きの中にシバ神への神聖な魂を感じさせて観客を釘付けに。

柚希とW主演の加藤和樹は、マタ・ハリと愛を語り合うアルマンと、彼女をスパイとして利用しながら愛してしまうラドゥー大佐の2役。ラドゥー役の加藤は、鋭い目元など容姿からも冷酷さを出し、愛にもだえる部分も熱演。兵士たちの死を嘆く歌『一万の命』も聴かせる。アルマン役の想像がつかないほど、芯までラドゥー大佐だった。

Wキャストでアルマンを演じる若手俳優の東啓介は、マタ・ハリとの深まる関係性を真摯な演技で魅せ、甘いシーンを自然に盛り上げる。狡猾なドイツ将校役の福井晶一、マタの心の支えとなる衣裳係の和音美桜、実力派ふたりの歌声も含め、力強いコーラスが時代の闇と光を紡ぎ出す。美しい照明と共に、心の深いところに残る清冽な舞台だ。
取材・文/小野寺亜紀
ミュージカル『マタ・ハリ』
日時:2018年1月21日(日)~28日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席13000円、A席9000円、B席5000円
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)
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