大阪で、金工の粋を尽くした刀装具展

2018.1.19 17:00

重要文化財 聖衆来迎図大小揃金具 後藤一乗作 文政5〜8年(1822〜1825) 個人蔵 ※40年ぶりに一般公開

(写真4枚)

「刀剣女子」「刀女子」ら、女性の日本刀ファンが昨今、急増。そんな方々に見てほしいのが、「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)で1月27日からおこなわれる『鏨(たがね)の華』展です。

同展のメインは刀本体ではありません。鐔(つば)、目貫(めぬき)、小柄(こづか)、縁頭(ふちがしら)といった刀剣外装の名品を紹介する展覧会です。日本刀は戦の道具なので、外見よりも実用性が大事です。しかし、戦国時代が終わり太平の江戸時代に入ると、刀剣にきらびやかで細密な装飾が施されるようになりました。大阪生まれの実業家・光村利藻(みつむらとしも:1877〜1955)はそうした刀剣・刀装具に魅入られ、3000点以上の一大コレクションを形成、そして刀装具の名品を集めた図録『鏨廼花(たがねのはな)』を刊行しました。

刀 初代月山貞一作 明治38年(1905) 光村利藻旧蔵 根津美術館蔵

その後コレクションは明治42年(1909)に光村の手を離れ、一括して初代・根津嘉一郎(政治家・実業家、数々の鉄道会社の設立に関わり「鉄道王」と呼ばれた)のもとへと渡りました。現在も「根津美術館」(東京都港区)には約1200点が伝わっており、日本最大級の刀装具コレションとなっています。

粟穂図大小揃金具 荒木東明作 江戸時代(19世紀) 光村利藻旧蔵 個人蔵

本展では、「根津美術館」所蔵の光村コレクションの作品を中心に、刀剣や絵画資料も含めた約200件が紹介されます。なかには、40年ぶりに一般公開される「重要文化財 聖衆来迎図大小揃金具」といったレアものも。これだけの品々をまとめて見る機会は滅多にないので、日本刀ファンは必見です。

文/小吹隆文(美術ライター)

『鏨の華-光村コレクションの刀装具-』

期間:2018年1月27日(土)〜3月18日(日)火曜休 
時間:9:30〜17:00(金曜〜20:00)※入館は閉館30分前まで 
会場:大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4-1-32)
料金:大人1200円、大高生800円(本展のみ)
電話:06-6946-5728

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