若き名バイプレーヤー・岸井ゆきの、初主演映画への想い

「目の前にある物語を一生懸命演じる」(岸井ゆきの)
──そういう意味では今回のこのキャストは、すごくいいメンバーですよね。スポンサーやプロデューサーの意向や事情を無視して、好きなキャスト集めていいよとなったら、そりゃこのメンバーを集めたくなるでしょ?というような。
もう、ホントに、奇跡みたいに集まったみなさんです。みんなぴったりだったから。贅沢ですよねぇ。
──実際、現場の雰囲気はどうでした?
みんな返ってくるんです、お芝居が。だからもう、ホントに楽しかった。みなさんのお陰で、お芝居は1人でやるものじゃないってことを強く感じることができました。

──森ガキ侑大監督もこれがデビュー作ですから、このキャリア豊富なキャストのみなさんと一緒に作っていくような感じだったんですか?
そういうのはあったと思うんですけど、私はすごい頼ってました、監督に。私はどうしても吉子を主観で見ちゃうので。監督は客観でいてくれるから、そういう意味で一緒に作っていって。あ、でも、一緒に作ってる感は私と監督だけじゃなくて、全員にあったと思います、この作品は。撮影中はこんなに笑える映画になるとは思っていなかったんです。笑っちゃうし、でも、ちょっとグッとくるし。家族の映画になったなぁと。
──ちょっと小難しい質問になっちゃうんですけど、岸井さんが思っている女優とはなんぞや?という部分。たとえば、初主演を経たことで、見えてきたものとか。
う〜ん、そこはあんまり考えてなかった(笑)。なんでもない、なにも変わってないですね、自分自身は。
──女優という仕事に対しては?
う〜ん。演じるということに対して・・・う〜ん。
──たとえば、なにかを演じるから女優、かもしれないですし、なにかを一緒に作っていくことも女優かもしれない。それはどちらかというと、俳優部というか・・・。
あ、それかもしれません。照明部がいて、撮影部がいて、俳優部がいて、監督がいる。それ以上でも以下でもない、女優だからみたいなものはないです・・・。あ、でも、こういう取材とかできちんと伝えることができるようにならないといけないなとは思ってます(笑)。今までは与えられた物語のなかでセリフを言って、それを一生懸命演じて、それで良かったんですけど、これからは違う。それは今のすごく大きな課題です。
──それは俳優部の仕事とはまったく違いますよね。
そこですね、大きく変わったのは。
──岸井さんご自身の変化はどうですか?
自分を変えなきゃとか、そういうのはあんまりないです。このままの土台で、いろいろ吸収したいなって。私、作品によってわりと左右されちゃうので、自分まで変わっちゃうと、どこに重心を置いたらいいかわからなくなっちゃうんで。

──若くして自分があるというのも達観的ですね。
最近です。最近、見つけました(笑)。
──なにを見つけたんですか?
親友がきっかけになったのかもしれません。会って1週間程度でほぼ親友、ってなった女の子がいて、その子と話していると、自分ってこうだったんだといろいろ発見して。そんなとき、この作品と出合って。そのときに変わったんだと思います。変わったんじゃなくて、変わっちゃったというか。見つけちゃった、みたいな。タイミングや巡り合わせなんだなぁって。焦りとかがなくなりました。
──焦りとかあるんですね、意外です。
「う〜ん、わからない」って(苦笑)。でも、今のままでいいのかって言われたら、違うみたいな。
──メインどころを演じたいの?って言われても・・・。
やー、わかんないしって(苦笑)。じゃあ、今のままでいいのかって言われたら、違うみたいな。
──今は地に足が着いた感じがある、と。
そうですね、今できることをやろうと。目の前にある物語を一生懸命演じるということを、一番大切にしています。
──なるほど。では、最後に難問をぶつけてもいいですか?
えぇ、なんですか?
──お芝居のなにが、岸井さんをそんなに惹きつけるんですか?
なんですかねぇ。自分になかった感情とかがポッと生まれたりするのが、面白いなって。それは自分自身の言葉じゃなく、感情でセリフでやっているので、この仕事をやってる理由が、自分の言葉にはできないんだろうなとは思ってます。
──女優・岸井ゆきのが出る作品を、今後もすごく楽しみにしています。同世代だけでなく、幅広い層にアプローチできる稀有な女優だと確信しているので。
がんばります、がんばらねば!
映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』
2017年11月4日(土)公開
監督:森ガキ侑大
出演:岸井ゆきの、岩松了、美保純、岡山天音、水野美紀、光石研
配給:マグネタイズ PG12
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