若き実力派・岸井ゆきの、初主演への想い
2017.11.27 17:00

若き実力派・岸井ゆきの、初主演への想い

若くして「名バイプレーヤー」。映画『ピンクとグレー』『森山中教習所』『友だちのパパが好き』、ドラマ『99.9 -刑事専門弁護士- 』『レンタルの恋』『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』など。そして、昨年は大河ドラマ『真田丸』にも出演。演じるすべての役が、まるで「当て書き」のようにピタッとハマる女優、それが岸井ゆきのだ。「樹木希林のような女優」とも賞される若き実力派女優がついに、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で初の主演を果たす。

写真/木村正史

「最初は本当にひたすら、悶々と・・・」(岸井ゆきの)

──映画『ピンクとグレー』(2015年)の取材のとき、行定勲監督が言ってたのが「あの役に岸井ゆきのをキャスティングしたこと、これを一番褒めて欲しい」と。

えぇー!そんなこと言って下さってたんですね。うれしい!

──行定監督がそうおっしゃるのは、映画を観れば一目瞭然ではあるのですが、それ以来、いろんな作品に出ずっぱりですね。

ちょこちょこ出させてもらってます(笑)。

──そして、出る作品、出る作品で確実に爪痕を残していますよね。映画関係者が集まって、今誰が一番面白い役者かという話になったときも、「そりゃ、岸井ゆきのでしょ」と。

本当ですか?(笑)。がんばらないと、いけないなぁ・・・。

──そういう反応って、やっぱりうれしいことですか?

うれしい、すごくうれしいです。映画ってたくさん要素があるのに、私のことも見てくれたんだ、みたいな。

──今回、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で初めての主演です。まずは率直な感想をお聞きできれば。

最初はホント、「で、できないかも・・・」って、マイナスなことばっかり考えて。本(脚本)もうまく読めてなかったし。どう演じたいか、じゃなくて、もう「主演」という言葉に押しつぶされそうになっていて。

初主演作について「押しつぶされそうになった」と語った岸井ゆきの画像一覧

──一般的に考えると、初主演というのは喜ばしいことのように思いますが。

最初は本当にひたすら、悶々としていて。そんななか、改訂稿が届けられて、「あぁ、これはいよいよ覚悟をきめないといけない・・・」って。でも、改訂稿を読んでいくうちに、自然と「あ、(主人公の)吉子を演じたいかも」って思えてきたんです。で、その1年後に撮影という感じになって。

──撮影が1年前ということですから、オファーは2年ほど前なんですね。

そうです。それだけ時間があったので、覚悟を決めて現場に入ることが出来たんですけど、それが3カ月後に撮影、とかだったら、ちょっとダウナーな感じで現場に入っちゃって、この作品の色もちょっと濁っていたかもしれない。それぐらい気持ちの変動はありました。

──これまでもいろんな作品に出て、そこで主役の姿を見ているわけじゃないですか。それと自分の姿をダブらせたりしたんですか?

主演をされるみなさんって、すごく周りに気が遣えるし、エネルギーもすごいんですよ。それがスタッフや共演者に伝わるから、すごいなぁって。今までは、何となく別次元のものとして見ていたんですけど、いざ自分が(主役に)なれって言われると、果たしてできるのかなって。ただ、映画の現場って、朝も早いし、夜も遅いし、体力も使う長い仕事だから、この作品は、「私は誰よりも元気でいよう!」と。

現場では「私は誰よりも元気でいよう!」と決めたという岸井ゆきの画像一覧

──映画『森山中教習所』(2016年)で共演されていた野村周平さんはすごいですよね。別の映画(『サクラダリセット』)では、監督をイジって現場を明るくしてるって。

えっ、監督を!? すごい。

──膝の上に乗ったりとか。

それは、私の知らない野村周平くんですね(笑)。

──いや、キャストのほとんどが高校生の現場だったから、おそらく、考えがあってやってたと思うと、深川栄洋監督はおっしゃってました。

たしかに、私と一緒のときもその役に合った感じの居方だった気がします。映画『森山中教習所』は野村くんにぴったりの役だと思ったんですけど、そういうことなのかもしれないですね。

──初主演というのは当然プレッシャーもあると思うんですが、それが演じ方や取り組み方にも影響しますか?

変わりましたね。もっと作品というか、現場のなかに入っていこうって。それまでの私は、「よーい、スタート」から「はい、オッケー」の時間だけのために準備して、台本読んで、演技していた気がするんですけど、現場に飛び込んで一緒に作品を作るということを学びました。この作品は、スタッフキャスト、みんなと一緒に作ったという感覚がすごく大きいです。なんで今までもっと飛び込めなかったんだろうって。すごく選択肢が広がったので。

──演技面ではどうですか?

演技の面は、変わらないです。物語のなかで対話するというか。それを、より密度を高くするためのコミュニケーションを学んだという感じですね。

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映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』

2017年11月4日(土)公開
監督:森ガキ侑大
出演:岸井ゆきの、岩松了、美保純、岡山天音、水野美紀、光石研
配給:マグネタイズ PG12
URL:http://ojiichan-movie.com

  
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