独特の世界観、京都で有元利夫の回顧展

有元利夫《室内楽》1980年 東京国立近代美術館蔵 ©Yoko Arimoto
1985年に38歳の若さで亡くなったものの、現在も幅広い人気を誇る画家・有元利夫(1946〜1985)。彼の業績を振りかえる展覧会『有元利夫展-物語をつむぐ』が、9月16日から「アサヒビール大山崎山荘美術館」(京都府大山崎町)で始まります。
有元はイタリア初期ルネサンスを代表する画家ピエロ・デッラ・フランチェスカや日本の古い仏画から影響を受けており、その作風は詩的な静寂感、どこかぎこちないポーズの人物表現、洋の東西や時空を超越した世界観が特徴となっています。彼自身「風化したものは、僕にとっていつも美しく物語のある空間です」と語っており、現代の作品でありながら遠い昔からやって来たような、懐かしさと存在感をたたえているのです。

彼は1978年に具象洋画の登竜門だった『安井賞』で、この年だけの特別賞である『安井賞選考委員会賞』を受賞、1981年には同賞の大賞である安井賞を受賞し、画壇にその名を轟かせました。しかし、受賞から4年後の1985年に病没。その活動期間は初個展の1975年からわずか10年ほどであり、残したタブローは約400点ほどと言われます。しかし、前述した独自の作風により熱心なファンが絶えず、現在でも人気作家であり続けています。

本展では、絵画を中心に、版画や立体も含めた有元作品約50点が集います(会期中に展示替えあり)。同館の洋館建築と有元作品は相性が良さそうなので、きっとほかでは味わえない濃密な芸術体験ができるでしょう。また美術館内のカフェでは、「リーガロイヤルホテル京都」が本展のために考案した2種類のケーキが味わえます。展覧会の余韻をかみしめながら、カフェでゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。
文/小吹隆文(美術ライター)
『有元利夫展-物語をつむぐ』
期間:2017年9月16日(土)〜12月10日(日)※月曜休 ※9/18・10/9・11/20・27・12/4開館、9/19・10/10休館
時間:10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
会場:アサヒビール大山崎山荘美術館(京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)
料金:一般900円、大高生500円、中学生以下無料
電話:075-957-3123(総合案内)
関連記事
あなたにオススメ
人気記事ランキング
写真ランキング
コラボPR
-
こんなんあるって知ってた?神戸の里山サイクリング[PR]
2023.3.24 07:00 -
華やかスイーツ!関西のいちごブッフェまとめ・2023年版
2023.3.23 10:00 -
雨の日も気分上がる、パールのように輝く傘にキュン[PR]
2023.3.22 07:00 -
京都のホテルで楽しむ、アフタヌーンティー2023年最新版
2023.3.20 12:00 -
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2023年最新版
2023.3.20 11:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2023年最新版
2023.3.20 06:00 -
【連載】よしもと漫才劇場×出囃子ストーリー
2023.3.18 12:00 -
奈良のホテルで贅沢に、アフタヌーンティー2023年最新版
2023.3.10 14:00 -
関西で楽しむ、桜の名所
2023.3.10 13:00 -
和歌山で楽しむ、桜の名所
2023.3.10 11:00 -
ホテルで甘いものを満喫、関西スイーツブッフェ・リスト
2023.3.8 12:00 -
爆売れ「レモンサワー」に弟誕生、その名もタコハイ[PR]
2023.3.7 18:30 -
「ヘソ天」姿の約6メートルの巨大バルーン登場 [PR]
2023.3.7 12:49 -
京都のおすすめ観光&グルメ&イベント…2023最新版
2023.3.3 22:00 -
大阪から行く、朝ドラのモデル生んだ高知・越知町旅[PR]
2023.3.3 07:00 -
エリア別にガイド!雑誌ミーツの特別編集「梅田ブック」[PR]
2023.3.1 09:00 -
大阪・中之島のフェスティバルプラザで晩ご飯。[PR]
2023.3.1 07:15 -
「週末のごほうび」は頑張った自分にプレモルで乾杯[PR]
2023.2.28 17:00 -
関西で楽しい、いちご狩り2023【大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山】
2023.2.8 14:00 -
ひと足早い春、関西の「梅の名所」12選
2023.1.28 07:00 -
京都の温泉まとめ2022年最新版、日帰りや温泉スタンドも
2022.11.30 07:00