みうら&いとうが見仏、西大寺の仏像展

2017.8.2 12:00

みうらじゅん(左)、いとうせいこう(右)、中央は、みうらの初恋仏である浄瑠璃寺(京都府木津川市)の吉祥天立像(展示は〜8/6)

(写真4枚)

「西大寺」(奈良市)と一門寺院の名宝が集う『奈良西大寺展』が、7月29日より「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)でスタートした。翌30日には仏像フリークとして知られるみうらじゅんといとうせいこうが来場。同展の見どころや感想を語った。

「東京(三井記念美術館)でも見てるんだけど、会場によって展示が違うよね。獅子に乗った文殊菩薩を集めたところ」(いとう)。「見くらべられるのがいいね。会場の広さも大阪の方が全然広いから、展示に余裕がある」(みうら)。

左:重要文化財 文殊菩騎獅像 木造彩色・鎌倉時代(13世紀) 京都・大誓寺 右:重要文化財 文殊菩騎獅像 木造素地・鎌倉時代(元亨4年 1324) 奈良・般若寺
左:重要文化財 文殊菩騎獅像 木造彩色・鎌倉時代(13世紀) 京都・大誓寺 右:重要文化財 文殊菩騎獅像 木造素地・鎌倉時代(元亨4年 1324) 奈良・般若寺

「浄瑠璃寺(京都府木津川市)の吉祥天立像も、360度ぐるりと見えるじゃないですか。東京では壁際に展示されていたから、後ろ姿は見られなかった」(みうら)。「普段、お寺では厨子の中に入っていて、しかも秘仏だから特定の日しか見られない。そういう意味でもこの展覧会は貴重だよね。確か期間限定の展示でしょ(吉祥天立像の展示は8月6日まで)。こういう機会はめったにないから、東京からも大勢の人が見に来るんじゃないかな」(いとう)。

「吉祥天立像で意外だったのは、後ろの髪型。真ん中で分けて、まとめ上げてから下ろしてるんだね。知らなかった。ずっとボブだと思っていたから」(みうら)。「着物も後ろは意外とシンプルだったね。もっと派手な柄かと思っていたのに。そういうところもおもしろい」(いとう)。「吉祥天立像は俺の初恋仏だから。髪型も吉祥天になりたくて大学時代におかっぱにしたんです。小学生の頃から憧れて、ついにツーショットを撮ってもらいましたから、夢みたいな話ですよ」(みうら)。「あの吉祥天立像は独特ですよね。他の吉祥天像もいろいろ見たけど、浄瑠璃寺のはキレイさが半端ない。秘仏だったから色も残っているし」(いとう)。「この機会に重要文化財から国宝に格上げしてください。お願いします!」(みうら)

左:重要文化財 塔本四仏坐像より、釈迦如来 木心乾漆像・奈良時代(8世紀) 奈良・西大寺 右:重要文化財 塔本四仏坐像より、阿弥陀如来 木心乾漆像・奈良時代(8世紀) 奈良・西大寺 奥:国宝 興正菩薩坐像 木造彩色・鎌倉時代(弘安3年 1280) 奈良・西大寺
左:重要文化財 塔本四仏坐像より、釈迦如来 木心乾漆像・奈良時代(8世紀) 奈良・西大寺 右:重要文化財 塔本四仏坐像より、阿弥陀如来 木心乾漆像・奈良時代(8世紀) 奈良・西大寺 奥:国宝 興正菩薩坐像 木造彩色・鎌倉時代(弘安3年 1280) 奈良・西大寺

「吉祥天立像以外だと、元興寺(奈良市)の聖徳太子立像。あれはキレイでした」(いとう)。「やっぱり西大寺の展覧会だから、西大寺の仏像をしっかり見るべき。清凉寺式の釈迦如来立像とか、ほかにも秘仏がけっこう来ているからね」(みうら)。「西大寺って有名なお寺なのに、意外と寺宝が知られていないんですよ」(いとう)。「駅の名前(近鉄大和西大寺駅)だと思い込んでいる人も多いんじゃないかな」(みうら)。

なお、仏像好きの2人は本展のオリジナルグッズとして、Tシャツ、ステッカー、A6サイズノートなどの監修もおこなっている。展覧会を見終えたら、ミュージアムショップでそれらも必ずチェックしてほしい。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『創建1250年記念 奈良西大寺展  叡尊と一門の名宝』

期間:2017年7月29日(土)〜9月24日(日) 
時間:10:00〜20:00(土日月祝日は〜18:00)※入館は閉館30分前まで 8/7・21・28休
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
料金:一般1300円、大高生900円、中小生500円
電話:06-4399-9050

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