小吹隆文撰・週末アート、9/14〜

2016.9.14 23:00
(写真3枚)

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、話題の真田丸、六甲山を満喫する現代アート、円熟した西洋美術の絵画コレクションなど、秋のお出かけにぴったりの展覧会を紹介。

 

日本史上屈指のヒーローが大阪に登場
『2016年NHK大河ドラマ特別展 真田丸』
@大阪歴史博物館(大阪市中央区)

いよいよ佳境のNHK大河ドラマ「真田丸」。そのタイミングを見計らったように、ドラマと連動した企画展が、大阪城の隣にある大阪歴史博物館で開催されます。

 

大坂夏の陣図屛風 岐阜市歴史博物館蔵 江戸時代 六曲一双 【大阪会場限定展示品】展示期間:10月12日(水)〜11月6日(日)
大坂夏の陣図屛風 岐阜市歴史博物館蔵 江戸時代 六曲一双 【大阪会場限定展示品】展示期間:10月12日(水)〜11月6日(日)

主人公の真田信繁(幸村)は、父の昌幸、兄の信幸(信之)とともに戦国時代を生き抜きますが、慶長5(1600)年の関ヶ原合戦で西軍の石田三成に味方し、西軍の敗退により高野山・九度山(和歌山県)に幽閉されます。しかし、徳川と豊臣の最終決戦「大坂の陣」では、冬の陣で真田丸と呼ばれる出城を築いて活躍、夏の陣では徳川家康をあと一歩まで追い詰めました。本展では、国宝6点、重要文化財5点を含む177点の資料、美術工芸品で、真田信繁(幸村)の人間像と彼が生きた時代を振り返ります。

2016年9月17日(土)〜11月6日(日)※会期中に展示替えあり
展覧会情報はこちら

 

関西の秋恒例の大規模アートイベント
『六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016』
@六甲ガーデンテラス、自然体感展望台 六甲枝垂れ、ほか(神戸市灘区)

六甲山上の様々な観光施設を会場に行われる大規模アートイベントが今年も開催。観客は山中を散歩感覚で歩きながら、アート作品と六甲山の豊かな自然環境を同時に満喫できます。

山本桂輔《夢の山(眠る私)》2016年
山本桂輔《夢の山(眠る私)》2016年

7回目となる今回は、岡本光博、さわひらき、トーチカ、マスダマキコ、三沢厚彦、八木良太、横山裕一など39作家が参加するほか、ワークショップなどのイベントも多数予定。会場へは、鉄道、バス、ケーブルカーを経由するも良し、自動車で山頂まで駆け上がるのも良し。都会に隣接した環境なので、気軽に出かけられるのもうれしいところです。アートファンはもちろん、秋の行楽を思案中の方におすすめします。なお、山上は天候が変化しやすいので、防寒・防雨の備えをお忘れなく。

2016年9月14日(水)〜11月23日(祝・水)
展覧会情報はこちら

 

稀代の美術コレクターが描いた夢とは
『松方コレクション-松方幸次郎 夢の軌跡-』
@神戸市立博物館(神戸市中央区)

現在の川崎重工業や神戸新聞社の初代社長を務めるなど、日本の近代産業の発展に尽力した松方幸次郎(1865〜1950)。彼は「松方コレクション」と称される西洋美術の一大コレクションを築いた収集家としても知られています。

トゥールーズ=ロートレック《庭に座る女》 1891年 オルセー美術館蔵 © RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
トゥールーズ=ロートレック《庭に座る女》 1891年 オルセー美術館蔵 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

その作品群は1927年の金融恐慌のあおりを受けて散逸しましたが、フランスに保管されていた作品約370点は一部を除いて返還寄贈され、現在の国立西洋美術館の母体となりました。本展では、国立西洋美術館の所蔵品や、国内外に散逸したコレクションの名品に加え、松方が目にしていれば必ずや購入したと思われるフランス絵画の名品など約160点を紹介。稀代の収集家が思い描きながらも、叶わなかった夢の軌跡を振り返ります。

2016年9月17日(土)〜11月27日(日)
展覧会情報はこちら

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本