小吹隆文撰・週末アート、7/20〜

2016.7.20 19:00
(写真3枚)

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、ドライブをかねてお出かけできる、陶芸展を紹介。

 

これは珍しい、対バン形式の展覧会
『Rencontre−いま、ここで、出会う 《交差する現代陶芸コレクション》』
@兵庫陶芸美術館(兵庫県篠山市)

兵庫・篠山にある兵庫陶芸美術館で、ユニークな企画展が行われています。

日野田崇インスタレーション展示風景
日野田崇インスタレーション展示風景

通常、美術館では、年代、地域、技法などを前提に作品を展示します。しかし本展では、館蔵の現代陶芸コレクションから28作家を選び、独自の組み合わせで2人1組ずつ紹介しているのです。たとえば、富本憲吉(近代陶芸の巨匠)×日野田崇(漫画的なフォルムと図柄の立体を作る現代作家)、八木一夫(陶オブジェの先駆者)×増田敏也(低解像度のCGのような立体で知られる現代作家)といった具合。意外な組み合わせが発する共鳴やギャップを通して、陶芸の幅広さ、奥深さを体感してください。ちなみに展覧会名の「Rencontre」とは、「遭遇」「接触」を意味するフランス語です。

2016年6月18日(土)〜8月28日(日)
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東洋と西洋の文化的融合を体現
『生誕130年 バーナード・リーチ展』
@滋賀県立近代美術館(滋賀県大津市)

20世紀英国を代表する、工芸家として知られるバーナード・リーチ(1887〜1979)。彼の生誕130年を記念した本展では、初期から晩年までの代表作約200点が見られます。

バーナード・リーチ《楽焼駆兎文皿》 千葉・我孫子 1919年 日本民藝館蔵
バーナード・リーチ《楽焼駆兎文皿》 千葉・我孫子 1919年 日本民藝館蔵

香港で生まれ、3歳まで日本で過ごしたリーチは、小泉八雲やホイッスラーの影響から日本に関心を抱き、1909年、22歳で再来日を果たします。その際、民藝運動の創始者で生涯の友となる柳宗悦など、日本の文化人や芸術家と知遇を得、陶芸の路を志すようになりました。そして計15回にわたる日英往来を通して、「東と西の結婚」という創作理念を追求し続けたのです。日本では既に有名なリーチですが、これだけの規模の展覧会は滅多に行われません。陶芸ファンなら必見です。

2016年7月9日(土)〜9月25日(日)
展覧会情報はこちら

 

美術館にもオープンエアの波が到来
『インサイド×アウトサイド−陶芸の森アートクルーズ』
@滋賀県立陶芸の森陶芸館(滋賀県甲賀市)

やきものの里、信楽に位置する「滋賀県立陶芸の森」では、アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)を積極的に展開し、これまでに50カ国・約1000人の作家が制作活動を行ってきました。彼らの足跡を示す多彩な作品は、陶芸の手法を使った幅広い作風が揃い、他のどこにもない「陶芸の森」ならではの財産と言えます。

リサ・ラーソン(デザイン)[スウェーデン]/絵付=青木寿美子 モニュメント《生命の樹》2015年
リサ・ラーソン(デザイン)[スウェーデン]/絵付=青木寿美子 モニュメント《生命の樹》2015年

また、野外に点在する大型作品は信楽の豊かな環境とシンクロし、「やきもの×アート×自然」の醍醐味を存分に堪能できます。そんな同館の特徴を最大限に生かすべく行われている本展では、美術館の「なか」と「そと」を一つのフィールドに見立てて展覧会を構成。美術展を鑑賞するというよりも、ピクニック感覚で陶芸の森を巡りながら、作品と空間の両方を楽しむことができます。

2016年6月19日(日)〜9月23日(金)
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