難解アートに挑む、京都の舞台芸術祭
2016.7.24 7:00

タイトルにある「EXPERIMENT(実験)」の言葉通り、国内外の先鋭的なステージパフォーマンス&展示を厳選した、京都発のアートフェスティバル『京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT 2016 AUTUMN』(以下KEX)。10月からの開催を前に、12組のアーティストによる15の公式プログラムが発表された。

木ノ下歌舞伎『勧進帳』(2010) Photo by Naoko Azuma
木ノ下歌舞伎『勧進帳』(2010)Photo by Naoko Azuma画像一覧

前回は「ロームシアター京都」オープンイベントを兼ねた効果もあり、来場者数3万人を突破した『KEX』。身体パフォーマンス系の作品が多かった前回とは対称的に、今回は言語、国籍、現実と虚構の間など様々な境界を、演劇や演劇的な手法によって表現したり、その境を無くそうと試みる作品を選定したという。

マーティン・クリード『Work No. 1020(バレエ)』 Photo by Hugo Glendinning
マーティン・クリード『Work No. 1020(バレエ)』Photo by Hugo Glendinning画像一覧

実行委員長の森山直人氏は「できるだけ長いスパンで考えられる、目先のことだけにとらわれない柔軟な芸術を選んだ」とも話す。相次ぐテロや人種対立など、いっそう先行きが不透明となった現代。そこで付け焼き刃的な答えを性急に出そうとするのではなく、問題に対していたずらに動じず、じっくりとより良き道を考えていく・・・。そんな、哲学者の鷲田清一氏が唱える「知的耐性」を体現すると同時に、観客もその力を養えるようなアートを提示することを、特に意識したのだそう。観てすぐには(時には作る側さえも)、意味や狙いが理解できないからこそ、終演後も長い時間をかけてその作品について考え続ける。このことが世界中の境界にまつわる諸問題に向き合い、じっくりと考える機会にもつながる、というわけだ。

チケットは公演によって異なるが、フリーパス24,000円などセット券も用意。8月8日より各プレイガイドで発売される。

取材・文/吉永美和子

『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN』

出演:マーク・テ(Mark Teh)、ルイス・ガレー(Luis Garay)、フェデリコ・レオン(Federico León)、マーティン・クリード(Martin Creed)、池田亮司、松根充和、木ノ下歌舞伎、庭劇団ペニノ、篠田千明、シャンカル・ヴェンカテーシュワラン/シアター ルーツ&ウィングス(Sankar Venkateswaran / Theatre Roots & Wings)、researchlight、小泉明郎

日程:2016年10月22日(土)〜11月13日(日)
会場:ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、京都府立府民ホール アルティ、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、ほか
料金:公演や展示内容によって異なる
電話:075-213-0820(KYOTO EXPERIMENT チケットセンター)
URL:https://www.lmaga.jp/news/2016/03/6144/

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