小吹隆文撰・週末おでかけアート、3/30〜

2016.3.30 21:00

森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青)》2016年 作家蔵

(写真3枚)

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「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、大阪の巨匠・森村泰昌、シュールな世界観を繰り広げるエドワード・ゴーリー、スイスデザインの全貌を観られる展覧会を紹介します。

この春、関西で最も注目すべき展覧会
『森村泰昌:自画像の美術史「私」と「わたし」が出会うとき』
@国立国際美術館(大阪市北区)

現代日本を代表する美術家・森村泰昌が、地元大阪で初の大規模個展を開催します。

彼が一貫して制作してきたのは、名画の登場人物、映画女優、20世紀の偉人などに自らが扮したセルフ・ポートレイト(自画像)です。そこには、作品の一部となり美術史と批評性をまとった「私」と、森村自身である「わたし」が同居しており、両者の交錯から独自の作品世界が紡ぎ出されるのです。本展は「自画像」シリーズの集大成と位置づけられており、過去の作品と、西洋美術と近代日本美術の巨匠たちに扮した新作など約130点を展覧。また映像作家・藤井光を起用した長編映像作品(約60分)も展示されます。 森村泰昌の世界を概観する絶好の機会となるでしょう。

2016年4月5日(火)〜6月19日(日)
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危険な香りが漂う「大人の絵本」の世界
『エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展』
@伊丹市立美術館(兵庫県伊丹市)

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』『不幸な子供』などの著作で知られるアメリカの絵本作家、エドワード・ゴーリー(1925〜2000)。

『うろんな客』原画,1957年 ©2010 The Edward Gorey Charitable Trust
『うろんな客』原画,1957年 ©2010 The Edward Gorey Charitable Trust

彼の作品は、ミステリアスな物語、押韻・造語・古語を駆使したテキスト、ペンで細かく描かれたイラストから成り、多くの熱狂的なファンを獲得しています。美術家のマックス・エルンストやムーミンの作者トーベ・ヤンソンも彼の愛好家でした。日本初となるこの回顧展では、本人がイラストとテキストの両方を手掛けた絵本の原画・草稿、イギリスの詩・文学につけた挿絵、演劇・オペラの舞台と衣装のデザイン、演劇・バレエのポスターなど約350点で、この類まれなる作家の業績を振り返ります。

2016年4月2日(土)〜5月15日(日)
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知られざるデザイン大国の全貌を明らかに
『スイスデザイン展』
@西宮市大谷記念美術館(兵庫県西宮市)

スイスの一般的なイメージといえば、アルプスや永世中立国でしょうか。一方、デザイン好きの人々には、スウォッチ(時計)、ビクトリノックス(アーミーナイフ)、シグ(アルミボトル)、ネフ(玩具)といったブランドや、建築家のル・コルビュジエ、グラフィックデザインとタイポグラフィーの「スイス・スタイル」が思い浮かぶでしょう。

《エンゲルベルク・スキー場》ポスター ヘルベルト・マター 1935年 竹尾ポスターコレクション
《エンゲルベルク・スキー場》ポスター ヘルベルト・マター 1935年 竹尾ポスターコレクション

そう、スイスは世界屈指のデザイン大国なのです。その特徴は、いずれの分野でも合理性・機能性・普遍性を追求した妥協のないデザインが徹底されていることです。日本とスイスの国交樹立150年を記念して行われる本展では、近代デザインの草創期から現代に至るスイスデザインの全貌を知ることができます。

2016年4月2日(土)〜5月29日(日)
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