ソロコン開幕、柚希礼音のカリスマ健在

2016.3.14 19:26

オープニングとは一転、カラフルな衣裳に。オチャメなシーンも

(写真6枚)

「ただいま! 関西に帰って来たよ」という声にキャーという歓声。「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)の中央で燦然と輝く元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音を、ファンは熱狂的に迎えた。ソロコンサート『REON JACK』初日3月11日の模様をレポートする。

コンサートは4部構成でまず1部の「JACK!!」から。映像を駆使した演出の中、クールな怪盗に扮した柚希が現れ挑発的なダンスで魅せる。手拍子が沸き起こる「REON JACK」では柚希が客席降りして観客とタッチ。これだけで劇場が揺れそうな興奮に包まれる。

続く「Colorful REON」では、色鮮やかな衣装で愛嬌たっぷりに男性ダンサーと絡む姿が新鮮。元宙組トップ娘役の陽月華、音花ゆり・鶴美舞夕らも迫力ある歌やダンスを見せ大活躍だ。

アルゼンチンタンゴの調べが会場に響くと一瞬で退廃的な「REON TANGO」の世界へ。煙草を手に舞台奥から現れたシルエットは一瞬男性かと見まごうほど。身も心も男になったような柚希が、タンゴダンサー、クリスティアン・ロペスと踊り出す。男役同士ともまた違う雰囲気だ。さらに彼にリフトされ何度も宙を舞う柚希の美しく華麗な動き。場面が変わるとドレス姿の柚希が、クリスティアンに身体を委ねてしなやかに複雑なステップを踏んでいく。観客も息をのんで釘付けとなっているのが伝わる渾身のダンスで、拍手もひと際大きかった。

タンゴダンサー、クリスティアン・ロペスと共に
タンゴダンサー、クリスティアン・ロペスと共に

「REON in TAKARAZUKA」では、現役時代と全く変わらないスター性を放ち懐かしの宝塚ナンバーを披露。さらに大好きだという平井堅の楽曲を軽やかに歌う。この後のMCでは“ラブシーンの帝王”と言われた柚希の意外な一面が飛び出したり(MC内容は日によってテーマが変更)、宝塚歌劇時代の伝説的エピソードが楽しめるのも魅力だ。

最後の「NOW REON」では新曲「Maybe if…」などを、男性ダンサー8名を従え披露。細かなカウントの振りを歌詞に合わせて踊る、キレのあるダンスが格好いい。アーティストとしての魅力が前面に出た柚希にぴったりの名ナンバーだ。最後は自らの作詞で綴った新曲「希望の空」。退団後単身N.Y.へ渡りミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』の稽古で奮闘し見つけたものを、目を潤ませながら優しく熱唱する。さらに同曲をバックに裸足でソロのダンスも。一歩踏み出すときの戸惑いや喜びを高いジャンプやターン、身体の隅々まで使ったダイナミックなダンスで表現。音楽のアレンジも素晴らしく観ていて胸が高鳴る。

柚希の魅力を最大限に生かした、しなやかで迫力あるダンスも
柚希の魅力を最大限に生かした、しなやかで迫力あるダンスも

初日のスペシャルカーテンコールでは「盛り上がりがすごくて本当に嬉しかった!」と柚希。陽月も「いい空間ですね」と感動の様子。出演者と観客が最高の笑顔で結ばれるREONシリーズは、やはり熱量の高さもスペシャルだった。

取材・文/小野寺亜紀

『REON JACK』

構成・演出:稲葉太地(宝塚歌劇団)
出演:柚希礼音、陽月華、音花ゆり、鶴美舞夕、他

日程:2016年3月11日(金)~17日(木)
会場:梅田芸術劇場メインホール
料金:S席10,000円、A席7,500円、B席5,500円
電話:06-6377-3800

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