助成事業が発掘、映画界の金の卵たち

ヨーロッパ企画の上田誠が脚本協力として参加した、近藤啓介監督『食べられる男』
映画は、スポンサーにバックアップをしてもらうか、もしくは監督、プロデューサーが自ら資金を捻出して作られる。また資金面だけではなく、同時進行で大勢のスタッフ、キャスト、ロケ地選びなども大事な仕事だ。
それらを公的機関がサポートする、映画製作の助成システムをご存じだろうか。特に知られているのが、大阪の「シネアスト・オーガニゼーション大阪」と、東京の「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」のふたつ。ともに新たな映像作家の発掘・育成が目的で、そこから生まれた映画が立て続けに3月に大阪で公開される。
大阪市の映像文化推進事業「シネアスト・オーガニゼーション大阪」はこれまで、『舟を編む』で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた石井裕也、安田顕主演の『俳優 亀岡拓次』が話題の横浜聡子ら、現在進行形で活躍する監督たちの才能をいち早く見い出してきた事業だ。毎年全国から企画募集し、選考委員による書類審査、面談を経て、3企画を選出。それぞれに60万円の助成金が与される。今年度の助成作に選ばれたのは、三間旭浩監督『私は兵器』、藤村明世監督『見栄を張る』、近藤啓介監督『食べられる男』。この3作品は、3月4日から始まる『第11回大阪アジアン映画祭』のインディ・フォーラム部門で上映される(会場は第七藝術劇場)。

そして、2006年にスタートした「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」も、文化庁の委託事業として映画製作をサポート。RADWIMPS・野田洋次郎の俳優デビューで話題となった『トイレのピエタ』の松永大司はndjc出身監督で、こちらも毎年、選抜された15人が映画製作に関するワークショップを受講。さらにそこから絞られた数名が短編映画を作っている。ndjcはフィルムでの撮影を必須とし、デジタルでは味わえない緊迫感の中で映画製作の貴重さに改めて触れていく。2015年度は佐藤快磨監督の『壊れはじめてる、ヘイヘイヘイ』、ふくだももこ監督の『父の結婚』、藤井悠輔監督の『罪とバス』、堀江貴大監督の『はなくじらちち』が、3月19日〜25日に「シネ・リーブル梅田」でロードショーされる。
助成を受けることで、公的な支援、そしてさまざまな人のサポートが加わる。自己完結な作品ではなく、多くの人の目をしっかり意識しながら、プロの映画監督に向けて一歩踏みだした若者たちの作品をこの機会にぜひ鑑賞して欲しい。
文/田辺ユウキ
『シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)』
『「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2015」一般上映会』
期間:2016年3月19日(土)〜25日(金)・18:30〜
会場:シネ・リーブル梅田
料金:一般1,200円、学生・シニア1,000円(4本まとめて/全席指定)
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